2,ずっとこの先も、君の隣で

12月中旬、優斗は幼馴染の碧と居た。


大きなイベントも終わり、二学期も1週間を残すところ、世間はクリスマスな雰囲気だ。

色々と準備が進められていて、きっとイブの夜にはこれらが照らすのだろう…まあ自分にはきっと無縁なものだろう、今年も家で一人…


「優斗〜、イブの日空いてる〜?」

「!?…いや空いてはいるけど。」

「いろいろ遊ばない?」


碧からのお誘いもあり、今年はぼっちクリスマスにはならなさそうで一安心。


「にしてもなんでいきなり」

「だめだったかな…?」


そうやってちょっと落ち込んだような声で聞いてきたら断れないじゃないか。


「あーわかった、行こう行こう。」

「やった!」


うん、可愛い。この反応をしてくれただけで、了承した価値があるってものだ。


そうしてクリスマスイブ、2人で出かけていた。


「相変わらずカップルが多いな、まあ見せつけるには絶好の日って訳か。」

「周りばっかり見てないでもっとこっちを見てよ、むー。」


どうやら碧は自分のことを見ない僕にちょっとご機嫌ナナメなようだ。というか今日の碧の服装はいつにもまして気合いが入っているような気がする。


「そもそも、なんで誘ったのかわかんないの!」

「うーん…暇だったから?」

「…いいもん、別に分かってくれなくて。」


うーん、どうやら違っていたようだ。


「あっちの公園行かない?、話したいことがあるの。」


何やら話したいようだ。

そうしてついて行って2人で座った。


「楽しいね。」

「そうだね。」

「うーん、なんて聞こうか…あーもーいーや…、優斗、ちょっといい?」

「ん、別にいいけど」

「優斗、私のこと…好き…?」


!?!?、いや、突然過ぎないか???

いや好きだよ?、だけど、なんというか、まだ気持ちの整理が!、そんな自分を後目に話を続ける。


「前々から優斗のこと…そのなんというか…どうなの!」


もうここまで言わせてしまっては、自分から言うしかあるまい、覚悟を決めろ自分。


「うん、好きだよ、碧、ずっと一緒に居たいし遊びたい、もっと一緒に話したい」

「やっぱり、そんなところだと思ってたよ〜」


前々から見抜かれていたらしい…めっちゃ恥ずかしい…。


「私も、優斗のことが昔から好きでした、どうか、付き合ってくれませんか!」


抱きついてきたり、毎日一緒に学校から帰ったり、昔から、ずっとアプローチしてくれてたんだなって思うと心がとっても暖かくなった。


「前から碧のことが好きだった、僕の方からも言わせて、僕と付き合ってくれませんか!」

「うん!」


そうして2人で抱き合って、キスをした。どれだけ人がいようと、今この瞬間は2人だけの世界。誰にも邪魔されることのない、2人だけの空間。


「いま…とっても幸せ」

「そうだね」

「じゃ、まだ色々あるし一緒に回ろっか」

「うん!」


そうして2人、手を繋ぎながら、ライトアップされた商店街を歩いていくのであった。

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恋愛 短編集 藍色の星 みり @aihosi_miri

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