第4話木下つとむさんを探しに

のらねこ お岩が つぶやく。

「男の子は たすけ君の名前を知っていた。

その男の子が持っていた手紙なんだから、

この手紙のなぞを解けば、

たすけ君の心のなぞも解けるかもしれない‥。

でも、ヒーローってのが、どういうことなのか、

よく わからないな。」


〝お岩に〟が しゃしゃり出てくる。

「ヒーローといえば、助けること。

助ける。助けるといえば。

この前、子どもたちの声を頼りにして、

道のたぬきを助けるために動いたんだ。」


「たぬきって、ぽんぽこりんのたぬきでしょ。

ここにも〝たぬき〟って書いてあるよ。」

のらねこ お岩が指したのは、

うどん・そばの店が掲げるお品書きだった。

うどん・そばの店の前の道には、いま滑りこんできたようにバスが やってきた、いま思いついたように〝お岩に〟が言った、

「バスが走っているよ。みんな、バスに乗ろう。

木下つとむ さんか、それとも、木下つとむ君か。

そのひとを探しにいこう。」

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