第34話 初戦

〈第四試合!間紋選手対曲曲選手!間紋選手はなんと能力が三つもあるそうです!彼には様々な戦い方を期待して問題ないでしょう!間紋選手も大学生と若いですが対する曲曲選手はなんとその齢十一歳!〉

〈さっきみたいな試合はやめて欲しいですね。〉

〈あれ富士見さんってこんな人なんですか?〉


いよいよ俺の番か。十一ってことは小六か。流石に負けないだろうが、ストレッチはしておこう。


〈第四試合!開始!〉

「悪ぃが端から油断はしないぞ」

『水素生成』『酸素生成』『鉄生成』『鉄生成』


フィールドを火柱が走り、曲曲の元までついた瞬間大爆発が起こった。

〈リノ選手!いきなり大爆発を起こします!〉

「リノ容赦なさ過ぎでしょ」

「小学生があれを耐えられるのか?」

「爆煙でみえませんねぇ。」


「たぶん大丈夫だと思うよ!」

「知朱ちゃん!知り合いなの?」

「うん!ほらなんか聞こえない?うちの曲曲は簡単にはやられないよ!」

「うん、聞こえるね。クラシックだ。」


『威風堂々』

〈なんでしょう!スタジアムにどこからかあの名曲、威風堂々が流れています!そして!大爆発を至近距離で食らった曲曲選手!無傷です!〉


『革命のエチュード』


「また曲がかわったね。曲が変わった時銃も現れてる。」

「ショパンの有名な曲だね。おそらく彼の能力だろう。」

「曲曲の能力は『曲具現化』って言ってその曲のイメージを使って戦うんだよ!」

「敵になるかもしれないんですが情報を与えて良いんですかねぇ。」

「え?あ!…確かに!まあなんとかかるでしょ!」


「音を使うのか。なら消せば良いな。」

『制震』


リノが呟いた途端、スタジアムから音が消えた。革命のエチュードだけで無く、呼吸音や声も。


「(そんなんありかよ…)」

「相性が悪かったな。震動は音の上位互換なんだ。」



〈第四試合勝者!間紋選手!〉


「なんか…一方的な試合ばっかでつまんなくない?リノもなんかこう手加減とかさぁ。」

「悪かったな。まだ爽快感のある戦い方をしてはうるんだけどな。」

「一方的な試合が多いのは参加条件が緩いせいだろう。生き残ってさえいれば参加できる。それこそ榊原さんのような世界でも類を見ない実力者から無能力の小学生まで参加できる。」

「ねぇちょっとうちらの悪口ヤメテ?」

「?あぁ、すまん」

「うちらってことはまだ仲間がいるのか?」

「うん!大会に参加してるのは私と曲曲ともう二人だよ!あとは応援が6人かな!」

「その二人はどこにいるんだ?」

「あんまり大人と喋ることになれてなくてたぶんどっかにいるよ。」


〈続いて第五試合!グローク選手対袴田選手!グローク選手はなんと163回目の出場の選手で過去大会での優勝経験もある実力者!袴田選手は情報はありませんでしたがグローク選手相手にどう戦うのか!〉


「響さん、どうやら次の試合はなかなか白熱しそうですよぉ。」

「袴田って人知ってるの?」

「初日に飛ばされた所にいてちょっと手合わせしたんです。勝てそうになかったから逃げてきましたけどねぇ。」

「逃げてきたのかよ。」

「まあ僕よりは強いと思いますよぉ。」

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僕の世界支配計画 @tokinashifuratto

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