第四話〈41回の自己紹介と俺の答え〉
自己紹介伝言ゲームが始まった。
トップバッターは、裁縫の好きとだと言っていたパーカー少年。
名前を
彼の次は、セーラー服の絵に描いたような文学少女。
次は、さっき大きく自己紹介をしていた槙嶋。
その次は、槙嶋の裏を通り、入ってきたアメリカハーフの青髪女性。
スウィフト・アメリア。
その後も自己紹介は繋がって行く。
アメリアの次は、財閥の御曹司を名乗る眼鏡男。
乱兎の後は、よさこいを踊ることが趣味という和服の女子。
たくさんの自己紹介が紡がれている。
そして、さすが天才と秀才だ。5,6分で俺の所まで自己紹介は回って来る。
「あの〜。どうしますか?」
「此処までは順調そのものでしたけど、最後である神木さんは無いはずの自己紹介を」
「あの、縁さんへ伝えなくてはいけないですよね?」
俺の前の席にいるパジャマ姿の少女。
名前を、
つい数日前までは、中学生で引きこもりだったらしい。
彼女の質問は最もだ。どうするべきか。
まぁ、答えは決まっているが。
俺は、縁先生に問いかける。
「どうやってあんたに伝えたらいい?」
「わかってるだろ。もう最後だぞ」
「そう言わんでもわかってる」
「少し、準備に時間が掛かってね」
縁は教室に入りながら答えてくる。
「さてと」
「最後の伝言をしたまえ。神木」
俺は教卓に立つ先生の元に行き、目の前で言う。
「私は縁。榎島 縁だ。」
「おめでとう。ミッションクリアだ。」
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