根を上げる

終わりを告げるような静寂の中で

ただ呼吸だけが続いている


それでも足は止まらない

ひび割れた地面の上に

微かに伸びる新しい芽を見つけたから

まだ終わるには早いと

あの柔らかい緑が教えてくれる


傷跡は残る

涙は途切れない

それでも前を向くのは


失うことで何かになれる力が宿るのだと

そんな言葉を見かけたから


地面の砂利が膝に食い込んだって

立ち上がるまで時間がかかったって


諦めって奴が根を上げるその瞬間までは


叫び続けよう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る