感情百景
朝焼けの空は
何かが始まる予感と
何かが終わる静寂を楽しんでいる
眠りから目を覚ました街並みが
昨日と今日の隙間に落とされた希望を
照らしていく
川辺を歩くと、止めなくても流れる
焦りのせせらぎが耳をうつ
流れゆく石と同じように
自分もいつかと考えてしまう
地平線は遠く
口に入った砂粒は
語られることのない言葉の残骸のようだった
進んでも過去からは逃れられないらしい
高台の上で風に吹かれる
小石が音を立てて落ちていく
その先に何があるのか
追いかけようにも恐怖がいた
夜空に広がる星は過去の残響
自分が上を向いていることに驚く
その静かな光は
届くことのない言葉のように
世界を撫でている
少し外を歩いただけでも
様々な感情に出会うことができた
その感情は旅路の一部であるかのように
心の中を廻り続ける
それぞれが景色を描き
過ぎゆく季節に足跡を残していく
いつかこの旅が終わるとき
振り返れば百の風景が
そこに立っている
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