第98話
しっっ、しんどいっっ。
こここここここまで全力疾走したのは、いつぶりだ?
ゼーッハーッ、ゼーッハーッ
息出来な……
「なんで」
「……っっ??」
よっっ、ようやく止まった。
美少女が止まって、掴まれていた手が離される。
そして振り返った美少女は汗一つかいていないし、息一つ乱れていない。
え……?
人間でないのでは?
この人、人間ではないのではないか?
驚愕するあたしを睨む美少女。
……何故
「なんで、あたしを助けたの」
「……え?」
「ハ?」
「「……」」
見つめ……睨み合うあたし達。
美少女を助けた?
……いや。
ゼーッハーッ……
「ちょっ…待っ…。息を……整え……」
「「……」」
沈黙。
ふぅ……。
よし。
「アナタを助けたわけじゃないよ」
「ハ?」
おおぅ……。
そんな顔を歪ませて、恐い上に美少女が台無しだよ。
「助けたのは酔っぱらいの方。アナタ今にも殴り倒そうとしてたでしょ」
「……チッ」
舌打ちときたもんだ。
さて、帰るか。
「じゃ」
幸い、家の方に向かって美少女が走ってくれたお陰で、家はもうすぐだ。
「アナタも早く帰りなよ。大地…達が心配するよ。ここら辺はガラの悪い、さっきみたいな酔っぱらいも多いから」
大地の次に、進藤の名前を言おうとした。
けれど、言えなかった……。
歩き出す……も
「ねぇっっ」
……まだ何か。
「アンタなんかが焔をフるなんておかしい」
「……うん」
そうだね。
「焔の何が気に入らないのよ」
気に入らないなんて、そんな。
あたしは美少女を見た。
そして笑った。
「何がおかし」
「あたし“なんか”だからだよ」
あんなにも格好良くて優しい進藤に、あたしなんかはつりあわない。
進藤には、彼に似合う可愛い女のコがきっと現れる。
あたしは必要ない。
「……アンタ」
話は終わった。
ペコッと頭を下げて行
「結果的に助かった。ありがと」
「!!」
無愛想な声だったけど、確かにお礼を言われた。
…えっと。
もう一度頭を下げた、その時
「オイ」
「っっ」
なんで、こんな時にっっ。
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