第96話
桜竜side
「じゃあリュウちゃん。今月もご苦労様」
「ありがとうございます」
オーナーが労いの言葉と共に給料の入った封筒を差し出してくれたから、お礼を言ってありがたく頂戴する。
「今月はうちの都合で何回もお休みを潰しちゃったからね。少したけど、多めに入ってるから」
「わぁっ!ありがとうございます!!」
それは嬉しい!!
アイツから離れられる時が早まる。
ほんの少しでも早く、開放される。
「それでね、リュウちゃん」
「はい?」
「あのバイトの子達は今週いっぱいで辞めてもらうことになったから」
「え?」
あのバイトの子達とは、あの?
女子大学生?
「当日休むことも多いし、お客様からのクレームも多かったし…昨日も男の子にズバッと言われてね」
「男の子…?」
フッと、浮かんだのは…焔。
まさか…ね。
「それでね、皆とも話して。リュウちゃんさえ良ければうちで正社員として働かないか?」
「えっ⁉」
正社員⁉
あたしが⁉
「給料も大分上げられる」
「おおっ」
なんてありかたい申し出。
でも…
「副業はOKですか?」
休みが勿体ないので、“flower”が休みの日は他でバイトがしたい。
「いいよ」
あたしの事情を知ってくれているオーナーは快く副業を許してくれる。
それならば
「よろしくお願いします!!」
深々と頭を下げて受ける。
「ありがとう助かる。こちらこそ、よろしくね」
詳しいことはまた後日ということで、今日はもう遅いからあがらせてもらう。
正直、この話は本当にありがたい。
あのコンビニは辞めよう、そしてこの店のシフトで空いてる時間に出来るバイトを探そう。
俄然ヤル気の出たあたしは
「お疲れ様でした!!」
いつもより数倍元気に外に出て
「ひゅー、ひゅーっ。マブいね、姉ちゃんっ」
「どう?俺らと夜明けのコーヒーを飲まない?」
マブい?夜明けのコーヒー?
なにやら聞いたことのない言葉のナンパ?の場面に出くわした。
あっ。
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