第89話

さて、心の中で愚痴ってても仕方がないので仕事をしますかね。



笑顔は……まぁいいか。



さっきハイエナ店長が嫌ってほど笑顔を振り撒いたことだし。




「……いらっしゃいませー」



「ちょっと。ヤル気あんの?」




……おおぅ。


めっちゃガン飛ばされた。


……恐いんですけど。



仕事をする気?


あるのかと聞かれれば、はっきり言ってない。



しかし仮にもお客様。



言えない、ので




「いらっしゃいませぇ」




愛想笑い全開でやり直す……も。




「ケンカ売ってんの?」




と、凄まれる。



えー……。


頑張ったのに……。


どうしろと?



まぁいいや。



スルーしてレジを始めると。




「ねぇ」



「……」




まだ何か?




「笑ってよ」




……なんと?




「笑って」




いや、そんなめっちゃ恐い顔で言われて笑える人って居るの?



てか、さっき笑ったじゃん。



それに




「当店、スマイル0円はやってません」



「○クドナルドか」



「コンビニです」



「「…………」」



((…………))




「笑え」



「強制ときたもんだ」




てか、レジが進まないのよ。



田端さんのとこはサクサク進むのに、ここだけ時間が止まってるのよ。




「いい加減、レジしていいか?こんにゃろう」



(~~っっ)




……ん?



もうあたしに出来る、最っっ大の笑顔をしたね。


してやったね。


満面の笑みってやつだね。



毒も一緒に吐いてやったけど。



しかし




「うわ。ブサイク」




こっちも毒を吐き返してきた。




「「…………」」





ピッシャーン!!



アレだね、背景に稲妻が走り龍と虎が一触即発で睨み合ってる図が描かれたよね。



満面の笑みのまま、青筋をたてたあたしだったけど




「こら!!美己!!いい加減にしろっ」



「!!」




この声……、




「なによ、大地」




美己と呼ばれた美少女がプクッと頬を膨らます。



可愛い……が。



あたしはおもわず息を止め辺りを見回す。










……進藤。

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