第69話
なんとか店内に入れた。
ちょっと……なんか疲れた。
仕事とは違う疲れ……。
進藤は買う物があると別行動。
あたしは卵を持ってレジへ。
その間、商品を見ているとやっぱりここは安い。
良いな、ここ。
お金がないから料理はあまりしないんだけど、こういうのは見てるだけでワクワクする。
……あ。
目に入ってきた物に足を止める。
これ……。
昔の事を思い出す。
…………。
値段を見るとやっぱり安くて、なんとかあたしが持ってるお金で買えそうだ。
贅沢……しちゃうけどいいかな?
今日くらい……うん。
あたしはソレも2つ持って今度こそレジへと向かった。
無事に会計も済んで外に出ると、もう進藤が待っていた。
「ごめん。待たせた」
と駆け寄っていくと
「いや、俺も今出てきたところだ」
とまた手を繋がれた。
……何コレ?
どこぞのカップルだ。
と思いつつもそのまま二人で歩き出す。
進藤の手に買い物袋。
目当てのものがあったらしい。
「ん?桜竜、卵の他にも何か買ったのか?」
目敏い。
「あ……うん」
……バレたし、いいかな。
「って、ちょっと手を離してくれる?」
「え"っ!?」
いや、そんな悲愴な表情をされても。
渋々といった様子で離された手で、あたしは買い物袋から1つ買った物を取り出した。
そして
「はい」
と進藤へ。
「え?」
ビックリ顔の進藤。
ん?あたしが物をあげるのは変か?
「俺に?」
「うん。助けてもらってるお礼」
……なんて。
だけど今更ながらにこんなのがお礼って……。
「ごめ……。こんなのがお礼って……」
「ありがとう」
引っ込めようとした手を手ごと取られ礼を言われる。
「大学いも?」
パックの中身を見て進藤が呟く。
そうあたしが買ったのは、大学いもだった。
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