第68話

おお……お。


なんて顔をするかなっ、この男はっ。



直視出来ず俯いてしまう。



そんな瞳で見られたことなど……もうずっと昔。




「桜竜?」




進藤が覗き込んでくる。



止めろっ。




「見るなっ」




ベシッ!!




「ん!?」




開いてる方の手で進藤の顔を押し戻す。




「なんでだ!?」



「見たら張っ倒す」



「桜竜になら張っ倒されてもいいな」




!?




「変態かっ」



「ククッ」




ベロッと掌を舐められる。




「ぎゃあっ」



「まぁ見ておじいさん。昔の私達みたいねぇ……」



「そうだな、ばあさん」



「!?」




いつの間にかすぐ側に80歳になるだろう、おじいさんとおばあさんが居て、それは懐かしそうにこっちを見てくる。



舐められた掌を進藤の服で拭きながら否定しようもするも。



進藤が急にニッコリ笑って




「行こうか、ハニー」




イケボでそんなことを言ってきた。




「誰がハニーか、って……」




本当に張っ倒してやろうかと思えば、こっちを生暖かく見守ってくる4つの目と目が合う。



そして




「照れているのね」



「照れているのだな」




と何故か二人の方が赤くなり




「照れてるのか、ハニー」




嬉しそうに笑う進藤。




…………。






「ちっっがーーう!!」




あたしは絶叫した。




「お客様、時間が時間ですので叫ばれるのはちょっと……」














そして従業員さんに怒られた。






「すみません……」



「行きましょう、おじいさん」



「行こうか、お前」












うぉおいっ、ジジ、ババ!!

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