第66話
しかし……どうしたものか……。
もう2度と会わないなんて言っておいて、このザマ……。
手を繋いで街中を歩いてるって……。
「ねぇ、アレって!」
「SWORDの"焔"!?」
「えっ!?焔!?」
「何あの女っ!?焔と手なんか繋いでっ!」
「「…………」」
外に出たとたんコレである。
進藤の眉間にぶっといシワが……。
「焔に女!?」
「SWORDの焔って、ゲイじゃないの!?」
「「…………」」
……進藤、有名人なんだね。
そういえば、"flower"に来ていた女達も進藤を知っていた。
まあ、この容姿なら当たり前か。
……でもゲイて。
なんでそんな風に思われてんの、コイツ。
「…………」
ギッと周りを睨む進藤。
その殺気だった瞳に息を止め、黙る人達。
まぁその分、あたしが睨まれてるけど。
しかし……ゲイて。
「笑うな」
バレないように笑ったつもりがそう言われ、チッと舌打ちされる。
さっきとは逆だね。
「いつからゲイに?」
「その口、塞ごうな」
「は…………!?」
振り返った進藤が凶悪な笑みを浮かべ、顔を寄せてくる。
もう学んだからね。
「間に合ってます」
自分の手で口を隠す。
「いやいや、好きな女にゲイだなんて疑われたらやるしかないだろ」
何をやる気だ、何を。
てか、目がマジだ。
口を隠していた手が外されそうになる。
「だぁーっ止めろっ!!手を放せーっ!!」
もう片方の手は進藤と繋いでるから使い物にならない。
「桜竜」
「ぎゃっっ」
グーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
またしてもお腹が鳴った。
今度ばかりはナイス、あたしのお腹!
もう本当にキスが出来そうな距離で進藤が止まる。
目が合うと、進藤の瞳が柔らかく細まった。
そして頭に手が置かれソッと撫でられる。
「悪い、悪い。早く飯食わねぇとな」
そう言って優しく手を引かれまた歩き出す。
「なんなのあの女……」
「進藤さんがあんな表情をするなんて……」
コソコソ話し声が聞こえてくるが、もう進藤が気にすることはなかった。
「で?どこに行こうとしてるの?」
「ん?コンビニ」
なんだと!?
「ふざけるなっ」
あたしは進藤の背中に頭突きした。
今日だけ……今日だけ……
もう少しだけ……。
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