第48話

焔side



「え~、真田さんですかぁ~。今日はお休みの日ですよ~」




……クッソ!!



よし帰る……




「あたしはレアチーズケーキの紅茶セット。紅茶はアールグレイで」



「おい」



「奢ってくれるんでしょ」




……そうだったな。




「まっ、風邪でとかじゃないみたいだから、ゆっくりしていこうぜ。俺はシーフードカレー」




……ハァ。




「コーヒー」



「はぁい。かしこましましたぁ~」




と注文を聞いた女がキッチンへ。




「可愛いお店だね」



「ププ、焔には似合わねぇよな」




桜竜が居ない。



それだけでここはこんなにも殺風景に見えるんだな。




「…………」



「うぁーーーんっっ」



「泣かないのっっ」




子供一人、母親一人のテーブル。



子供がジュースを溢して母親がオタオタし、子供は泣き叫んでる。



それなのにあの店員達は奥に入ったまま出てこない。



何やってんだよ。




「あの子とは全然違うな」



「ああ」




大地が表情を曇らせる。



昨日も同じようなことがあった。



今日と違って一人だったにも関わらず桜竜は、サッとそのテーブルに行くとお母さんや子供の服を心配し、そしてテーブルと床を手早く拭くと、すぐに新しいジュースを持っていってあげていた。




お礼を言う母親も、子供も笑顔で、そしてその子供の頭を撫でる桜竜の優しい表情。



あれは可愛いかった。


俺に向けられたかった。

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