第28話
「なんで?」
なんで?
「あたしはっっ、この名前が……大っ嫌いだ」
振り絞るようにそう言うと、ダウンジャケットを脱ぎ、進藤に叩きつける。
「ぶっ!?」
そして後は一目散に店に向かって走った。
「桜竜っっ」
バタンッ。
「リュウちゃんおかえりって、どうしたの!?」
「ハァ……ッ、ハァ……ッ。なん……でもない……です」
「なんでもないって……。あっ、やっぱり熱があったの!?」
「へ?」
なんで……。
「冷えピタッ」
「あ……」
そうだ、進藤に貼られたんだった。
剥がすの忘れてた……。
「今日はもういいからお帰り」
「でも……」
オーナーが優しく笑う。
「今日は本当にありがとう。助かったよ。そしてごめんね、体調が悪かったのに」
「それはっっ」
自分のせいだからっ。
「オーナー命令です。今日は帰って、明日はお休みね」
「でも……」
あのバイト二人は来るのだろうか。
「大丈夫だから」
「はい……」
こういう時のオーナーは絶対に引かないから。
ポンポンと頭を撫でてくれる、オーナーに少しだけ笑って頷いてあたしはロッカールームに戻り着替えると
「お先に失礼します」
と挨拶をして店を出た。
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