第19話

ちょっと視線をそっちに向けたら、女二人がさっきの男達のテーブルの横に立ち話しかけていた。



どうやらあたしは男達に近付くための生け贄にされたらしい。





どうでもいいが。




「あのっ進藤焔さんと稲森大地さんですよね!?」



「こんな所で会えるなんてっ。良ければ一緒に……」



「良くねぇよ。失せろ邪魔だ、そこに立つな。アレが見えねぇし、アレの邪魔になるだろうが」




と、昨日の男。



……ほう、なかなかやるな。



てか、アレっていうのはあたしのことではなかろうな?




「大地さ……」



「ごめんねー。君達タイプじゃない」




もう1人が言う。



なんて直球。




女達はスゴスゴと席へ帰るが……あたしに対する嫉妬の視線が……。



いや、あたしが何をしたというのか。




はぁ……めんど。




「ゴホッ」




注文が決まったようなのであのテーブルに聞きに行けば、オススメを聞かれたから




「ナポリタンとエビグラタンですかね」




とつい笑顔で答えてしまった。



だってオススメだし……。



その二つ美味いし。




すると昨日の男は目を見張った後




「じゃあ、それで」




とほんの少しだけ笑った。




へぇ……そんな表情も出来るんだね。



ずっと不機嫌そうに眉間にシワを寄せてたから。




「かしこまりました」



「えっ!?ちょっ俺はカツカレーが食いたいんだけど!?」




もう1人の注文は……もう戻るのも面倒なので、まるっと無視した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る