第30話いざ正式に勧誘へ
「…え?ど、どういう事でしょうか…?」
私の熱もかなり引いてもう日常生活に戻っても問題なくなった今日この頃。
学校から帰ってきたらレオさんがいて、すごく顔をくしゃくしゃにして大泣きしてるしわんわん泣きながらケーキ作ってるし…
とてもカオスすぎて声もかけられなかったけど、私に気づいて手を止めて抱き上げてくれた。
抱き上げた…って言うよりも高い高いされてるみたい。すごく喜んでるから理由を聞いてみたら私が腰を抜かしちゃったよ…。
レ「坊ちゃんがあなたを正式に迎え入れたいって言ってるのよん!!」
「…へ?」
レ「だ・か・ら!坊ちゃんがボスに直談判してあなたを私達のファミリーに迎え入れる事が許されたの!まぁまずは坊ちゃんの給仕からね!私の直属の部下よぉ〜ん♡」
それから冒頭のセリフになります。イヴ君の給仕係でレオさんの部下…?
ど、どうしてそうなったの??
「あ、あのっ!!どうして…?」
レ「どうしてって。杏、あなた坊ちゃんに寂しくなるって言ったんでしょ?だからよ。」
「…え!?!えっ、えぇぇ!?!」
レ「坊ちゃん今はファミリーを継ぐのに勉強詰めでね?すごく疲弊してた時にあなたからそんな事言われたからよほど嬉しかったのね。」
「で、でも、私イタリア語なんて…」
レ「任せて、それは私が教えてあ・げ・る♡なんたって初めての部下が杏なんだもの!辞められたら困るわ。だから安心して♡」
「初めて…なんですか?レオさんいい人なのに…」
レ「私がいい人でも仕える主人がアレじゃぁねぇ?」
「あ、なるほど。」
きっと唐突な理不尽に逃げていったんだ。そうだよね、気に入らないと撃ち殺されちゃうもん。
私だって逃げるよ。
「あれ?まって、それじゃぁ私…」
レ「どうしたのよ?」
「き、気に入らないと撃ち殺されーっ!?」
レ「あぁ大丈夫。あなたに限っては絶対ないわ。ないない。だから安心して部下にできるの。」
「でもそんなのっ!イヴ君の機嫌次第じゃ…」
そうだよ!!イジワル大魔王だよ!?私なんて瞬殺だよっ!!
でもどうしよう、この話断っても殺されそうっ。
私どっちを選んでも待ってるのはデスルートなんじゃ!?
レ「大丈夫よ。だって坊ちゃん、あなたの事は大切にしてるから。この前も結局風邪が治るまで看病してたでしょ?隕石でも落ちてくるのかと思ったわ。」
「そ、そうですけど…でもイヴ君、イジワル大魔王だし…」
「ほぉ?俺がイジワル大魔王か。」
「…」
レ「あら?坊ちゃんどうして?」
「そこのバカを正式に誘いに来た。が、いい事聞いたな?」
…オワッタ…
サヨウナラミナサン…
ギギギ…「こ、、こんにちは…イヴ君…」
「よぉ。このノロマなバカ芋女。誰がイジワル大魔王だ?」
「えっとぉ…あの…怒ってる…よね?」
「質問の答えになってねぇ。」
「ごめんなさいイヴ君の事そう思ってましたっ。ほっぺ離してぇぇ…」
グワシッ!!てほっぺ鷲掴みにされてギリギリ力込められてるっ!!このままじゃ陥没しちゃうよっ!!
イヴ君笑顔だけどすごい怒ってるし!殺さないでぇぇっ!
レ「止めなさいよ、坊ちゃん。事実でしょ?」
「(レオさん!?煽らないで!)」
「んなわけあるか。どれほど温情かけてやってると思ってんだ。」
「お、温情…??」
「イラッ」
レ「そんな事してれば伝わらないわよ、もう。」
レオさんが間に入ってくれてようやく離れた…
ほっぺ痛い…ずっとこうなるのかな?それは怖いなぁ…。
「チッ。…ほらよ」
「これは?」
「お前を雇うための条件書だ。秘密は守るってのと住込み、もちろん死ぬ可能性がデカくなるんだ、それの承諾書だ。」
「ほ、本当に…?あの、なんで…」
「…悪ぃかよ。」
「えっと…」
悪くないよ?むしろすごく嬉しい。
イヴ君とレオさんの二人とも別れないで済むんだもん。ずっとこうして一緒にいられるって考えたらサインしたい。
でも…私を雇ってもメリットなんて…
レ「ほんと、不器用よね。好きだから傍にいて欲しいでいいじゃない。」
「…!?ふぁっ!?」
「レオ!!バカな事言ってんじゃねぇ!!」
レ「本当の事でしょ?杏から焦ってる理由聞いてすぐに直談判しに行ったくせに。」
そ、そう…なんだ…。
そんな早くに動いてくれてたんだ…。
それにレオさん、すごくサラッと衝撃発言を…。
私、この話受けてもいいの?
「イヴ君…」
レ「ほら。レディを不安にさせるんじゃないわよ。」
「おまっ…はぁ…」
レ「正式に誘いに来たんでしょ?ちょうどよかったじゃない、私は出てあげるからちゃんとケジメつけてきなさい、坊ちゃん。」
「チッ…。」
な、流れが突然すぎてついていけない。
どうなるの?コレ…。
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