第26話疲れたパーティー
パーティーももう終盤に差し掛かってる。私はエレナさんのおかげで楽しく過ごさせてもらったけど、緊張の儀式がまだ待ってるんだよね…。
それはプレゼント。いつ渡そう??
「はぁ…」
エ「なにかあった?」
「いえ、その…プレゼント、いつ渡そうかと…」
エ「あぁ、そんな事?渡したい時で大丈夫よ、皆そんな感じだし。」
「あっはは…」
エレナさんはそう言うけど…私はあの煌びやかな群れに飛び込む事ができません。。
私にとってそれは生肉下げてライオンの檻の中を走る事と同等に怖いんです…。
どうしよう渡せるタイミング…くるかな?このままじゃパーティー終わっちゃう…
ードン!!ー
「っあ…」
女「…フン。」
「え、、えぇぇ??」
エ「なによアレ。大丈夫だった?杏ちゃん」
「はい…でもなんでぶつかられたんでしょう…?」
私がオロオロしていたら急にぶつかってきた女の人。とても綺麗な人だった…
でもなんだかとても怒ってる顔でわざとぶつかりました。って感じだった。なんでかな?失礼な事しちゃってたかな?
エ「イヴがあなたを特別視してるから嫉妬よ。姉の私の前でこんな事やるなんて…どこのファミリーかしら。」
「特別視…?まさか、私たぶん下僕くらいにしか思われてませんよ…」
エ「うーん…まぁそれはイヴの態度も問題よね。」
嫉妬なんてしなくても、私が恋人になんてなれるわけがないのに…。
肩、とても痛かった…
どうしよう。プレゼント渡さなきゃっていう緊張と恐怖で足がすくむしお腹も痛い…。
うぅ…せ、せめて泣かないようにしないと…
レ「はぁ〜い!杏、楽しんでる?」
「レオさん…」
レ「んまっ。なんて酷い顔なの?んもぉ坊ちゃんの言ってた通りね。」
「イヴ君が?」
小指を立ててポン♡と肩を叩いてくれたレオさんが渋い顔で私を見てる。
…今…坊ちゃんが言ってた通りって…
もしかしてっわ、私なにかしちゃった!?
レ「そ。坊ちゃんから伝言♡もうそろそろでパーティーも終わるから先に戻ってろ。レオを貸してやる。ですって♡」
「…あ、あの…それは死の宣告…ではないですか?私本当にこの場を離れて大丈夫ですか?」
レ「心配しすぎよぉ〜。坊ちゃん、あなたを心配して逃がそうとしてるの。見てたわよぉ〜?さっきの意地悪い女の体当たり!大丈夫だったのかしらん?」
エ「大丈夫じゃないわよ。アレのせいで今日一番の顔色の悪さなんだから。でも帰っていいならよかったわ。私も抜けるから二人で出ましょ。」
「あ…はい…」
エレナさんに手を引かれてレオさんに背中押してもらってなんとか歩いてる。
楽しいパーティーだったはずなのに…申し訳ない…。部屋に着くまでの廊下もとても長く感じるしずっと無言だから怒ってるのかも。
き、嫌われちゃったらどうしよう…
レ「さ、お部屋に着いたわ。今日はもう休んでおきなさいな、杏」
「はぃ…その、ごめんなさい…」
エ「なんで杏ちゃんが謝るの?私たちは何も気にしてないわ。」
「…」
レ「ほらほら。そんな顔で坊ちゃんと会っちゃダメよ?またイジワルされるわ!」
「そ、そうですね。えっと…それじゃ私はお部屋に戻ります…」
エ「はーい。ちゃんと休んで、シャキッとした顔でイヴに会うのよ?」
「ふふ…。はい、ありがとうございます。」
二人ともそれじゃと言ってどこかに歩いて行ったから私もお部屋に入ろうかな。
なんだかとっても疲れてしまった…
今日はもう、このまま寝ちゃおうかな…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます