第25話パーティー
あれからイヴ君の機嫌は結構いい方に傾いてる。私が可愛いイヤリングに夢中になってても怒らないし。美味しいアイス屋さんにも連れて行ってくれた。
とりあえず無事にお買い物終えられた事に安心してお屋敷に帰ったんだけど、なぜかエレナさんとレオさんは嬉しそうにニコニコしてるばかりだったの。
何かあったんだ…とは思ったけど怖くて聞けなかったな。
そして今日はイヴ君の誕生日本番。
レオさんに着物も着付けてもらって髪もセットした。
鏡で見た私は別人みたいで本当に感動しちゃった…。レオさんって何でもできて尊敬しちゃうよ。
パーティーはビュッフェ式でエレナさんが一緒にいてくれる事になってる。安心だ。
でも…
「イヴ君…すごい人気ですね。」
エ「そうねぇ。あんなんでも顔はいいしね。私達のファミリーはそれなりに大きいし、狙ってる子は多いでしょうね。」
「はい…。でも驚きました!こんなに大きなパーティーだったなんて…。私浮いてないか心配です。」
エ「大丈夫よ、そもそも日本人って礼儀正しいからかこういう場でも大人しいし。気にせず楽しみましょ?」
「ふふっ!そうですね、せっかくお呼ばれしたんですし。」
まぁ私の場合は変な事して拳銃出されるのが怖いって言うのもあるけど。
それにしても…イヴ君の周りにはすごく煌びやかでセクシーなお姉さんばかり。。たしかにこんな美人さん達で見慣れてれば私の事絶壁って言うよね…。
いいな…私もあのくらい綺麗になれたら…
エ「杏ちゃん?」
「…あっ!え?」
エ「どうしたの、ボーッとして」
「い、いえ…なんでも…」
エ「ふぅん?あ、イヴが来たわよ」
本当だっ。綺麗なお姉さん軍団引き連れてこっちに来たっ
こ、こんな陽キャの塊のような…キラキラしている人達心臓に悪いよっ
「おい」
「はいっ」
「?その着物、ちゃんと着れたんだな。」
「う、うん…レオさんが…」
エ「珍しいわよねぇ、あんたが贈り物なんて。」
「ふん。ダセェ格好で来られても迷惑なだけだ。このチンチクリンにレオの選ぶドレスが似合うわけねぇだろ」
「うぐっ…そ…そうだよね…その、う、後ろのお姉さん達…すごく美人だし…」
抉られた…こんな突然ズバッと言われて心の準備できてなかったからダメージも大きい…
やだなぁ…私、この場に不釣り合いだよ…
「…おい」
「な、なんでしょう…」
「下向いてんじゃねぇ。」
「え?」
「俺の選んだ着物だ。センス悪ぃわけねーだろ。それなりの見てくれにもなってる。いちいち下を見んじゃねぇ。」
「あ…ごめんなさい…」
「すぐ謝んなノロマ」
ノロマは今関係ないんじゃ…。
私また下を俯いてた。怖かったり不安だったりするとすぐ俯いちゃうからダメよね。
前にも言ってくれてたのに…。
「その、、」
「はぁ…。ソレ、食ってたやつか」
「え?う、うん。」
「ほぉ。…ジー。」
「なに?」
「パクッ。」
「あっ!!酷いよイヴ君っそれお気に入り…っ最後の一つだったのに!」
「んだよ食いもんくれぇで。こっち見れんじゃねぇかよ。」
「うぅっ…イジワルだ…」
「ふん。」
エレナさんに教えてもらったお料理、とても美味しくてお気に入りだったのに…
さ、最後の一つで後で楽しもうと最後まで残してたのに…
大魔王だ。満足したみたいでいつもの仏頂面のまま私の頭ポンポンしてどこか行っちゃったし…
うぅ…私のお料理…
エ「ほんと…人って変わるのね。」
「なんの事でしょう?」
エ「あの子、こういう場で出される物で口にしないのよ。ていうかそもそも人から貰ったものは絶対食べないわ。」
「え?なんで…」
エ「毒が盛られてるかもしれないからよ。これだけ大きなファミリーの跡取りですもの、そりゃ命だって狙われるわ。だから絶対に食べない。」
「!」
驚いた…さっき普通に食べて行ったから…
あれ?でも私が作るお菓子はいつも食べてくれてるけど…いいのかな?
エ「どうしたの?」
「いえ、その。イヴ君いつも私が作るお菓子食べてくれるから…意外でして…」
エ「それはあなたがそれ程信用されてるから。あの子レオの作った物以外食べなかったのよ?本当にすごいわ、杏ちゃん」
そ、そうなんだ…それはちょっと…なんて言うか。
「くすくす…すごく嬉しいです。」
エ「ふふ!とてもお似合いの二人よ、あなた達。杏ちゃんが妹になるなら大歓迎だからね!」
「妹!?」
エレナさんなんて事言うの!?そんなのムリだよ!?あのイヴ君だよ!?
きっと死にたいならそう言えって言って頭撃たれて終わりだよっ。
とんでもないなぁ…もう。
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