第24話尾行組は見ていた!

これはそう。坊ちゃん達が出てすぐのこと。


エ「さてと。行きますか。」


レ「カメラ準備もOKよ。一体どんなデートにするのかしらん?」


杏の荷物を坊ちゃんの部屋の隣に置いてスマホの充電を確かめる。


エレナもやっぱり同じこと考えてたのねぇ〜。


んふふ♡坊ちゃんがデートに誘うなんて絶対ありえない事だと今までは思ってた。


それを覆されたんですものこれは記念よ!!


二人を尾行して様子を見ておかないと!!


――



レ「あ、いたわエレナ!坊ちゃんと杏よ!」


エ「そっちなのね。あ、本当。杏ちゃんったらビクビクしてるじゃない…」


レ「相当優しくされてるのにねぇ?まぁでも、坊ちゃんの優しいはイジワル入りだから気づかないか。」


エ「好きな子ほどってね。イヴったら恋愛経験値は0よね?ずーっと家業の事ばかりだったから。」


レ「そうねぇ。将来の結婚の事とかもガキを産めばそれでいい。としか言わなかったし。んもぉ勿体無いわよね、顔はいいのに。」


エ「我が弟ながらなんてことを…。なんで杏ちゃんに惚れたのかしら?たしかに素直で可愛いけど。て言うかどうやって知り合ったの、真逆の二人が。」


双眼鏡でデートを覗き見るエレナとスマホ片手にアップして見守る私。


坊ちゃんったらずーっと杏ばかり見ちゃって。告白して傍におけばいいのに。


レ「鏡なのよ。二人だけが通れる不思議な鏡があってね?杏が偶然、坊ちゃんの部屋に転がり込んじゃって。」


エ「鏡?…もしかして姿見の?」


レ「えぇ。知ってるの?」


エ「それあげたの私だもの。呪われた鏡とか言われてて早く売りたかったところに杏ちゃんが来てくれてね。欲しいみたいだからあげちゃった。」


レ「…あんたそういうところ姉弟よね。」


まぁそれで私も出会ったわけだし。いいんだけど、マフィアだし。


姉弟揃って無慈悲というか人の心ないって言うか。


さすがこのファミリーの跡継ぎ子供達よねぇ。


エ「そんな事より見てレオ!イヴが杏ちゃんにスピード合わせてる!」


レ「んま!?なんて事なのっ!そんな気遣い出来たなんて!!」


エ「かと思えばイケメンに助けられてるわ!マズイ、イケメンが杏にうっとりしてる!!」


レ「でも杏は気づいてないわ!困惑してるわね。」


杏の髪をすくって頬まで撫でてるわ!?ダメよ杏、そこは強く断るのよ!!


手を叩いても私が許してあげるんだからっ


エ「見てられないわ、私助けてくる!」


レ「待ってエレナ、大丈夫よ。」


エ「どこが!?お持ち帰りされるわよ杏!」


レ「ほら見て、坊ちゃん」


エ「…あ。」


レ「チャカ出したら止めましょ。」


エ「そうね。」


エレナ落ち着いたようね。そりゃあんな鬼の形相の坊ちゃん見たら落ち着くか。


あらあら、嫉妬むき出しで相手の男の手叩き落として。杏が怖がってるじゃない。あの坊ちゃんにもこんな一面があったなんて。感激しちゃう♡


レ「んま!坊ちゃんが杏の手を握ったわ!」


エ「嬉しそうな顔しちゃって。はぁ、あの子も人の子ね。」


レ「んふふ♡本当に♡さ、二人が移動したわ、追うわよ!」


屋敷に戻るまでちゃーんと全部録画するんだから♡

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