第19話パーティーへのお誘い
ある日の朝。
「…え?私がですか?」
レ「んふ♡この前の学園祭のお礼に♡」
学園祭の後、イヴ君はすぐに帰って行っちゃったけどレオさんは泊まっていくって事でお泊まりしてもらってる。
そんなレオさんから、手を握られてあるお誘いを受けた。
それはイヴ君の誕生パーティーのお誘い。
それは嬉しいんだけど、イヴ君嫌がらないかな?
「いいんですか?私が行っても。」
レ「もちろんよぉ!後でドレス見に行きましょ?華やかなの選ばないとぉ〜!」
「は、華やかなドレス…私は落ち着いた物で…」
レ「何がいいかしらね?胸元開いたセクシーなやつ?それとも太ももまでスリットのある大人ドレス?んんー!悩むぅぅ!!」
「(辞退したい…)」
わ、私にそんなセクシーなもの似合うわけないじゃん…。
ていうか着れないよ!!イタリアのお姉さん達と違って私、純日本人!!って感じなのにっ
体型だってそんな…
レ「さ、そうとなればさっそく買い出しよ!行きましょ杏!!」
「えっ、えぇ!?」
目を炎をチラつかせたレオさんに俵担ぎされて有無を言わせてもらえないっ!!
さすがイヴ君の第一ボディガード…私を担いでても早いなんてっ。
そうして1日、私は似合いもしない華やかなドレスの試着に付き合わされたのでした。
見た服全て高いし…金額に心臓止まるかと思った…。
レオさんは私が出すわ!って言ってくれたけど、さすがにちょっと…。
レ「中々いいドレスないわねぇ。んー、また明日行きましょっか。私は先にお風呂いただくわぁ〜。」
「あっはは…たぶんドレスのせいじゃない気が…。行ってらっしゃい、レオさん。」
あーあ。なんて言ってため息ついている現在は私の部屋でもう18:00を回ったとこ。
今日だけでも結構疲れたけど、明日もかぁ。
…明日もかぁ。
「…はぁ。」
「おい」
「あ、イヴ君…」
「…。嫌ならハッキリ断れって言っただろう。」
「え?」
「学園祭の時だ。」
鏡からヌッと顔を出して、憐れむような…なんとも言えない表情で私を見るイヴ君。
学園祭の時…って、あのおじさんに手を握られてた時?
たしかに言われたけど、レオさん楽しそうだしなぁ。
「あ、はは…」
「はぁ。まぁあのカマヤロウがそんな事くれぇで退くわけねぇが。…ほらよ。」
「よく分かってらっしゃる…って、えっ?」
バサ!!と無造作に投げられたのは。。これは着物?とても可愛い…。
「お前にセクシーなドレスなんか似合うかよ。ドレスに失礼だ。」
「かはっ…ほ、本人が一番分かってるもん…」
「かと言って俺のパーティーにダッセェもん着て来られても困る。」
「センスはレオさんだから心配なさそうだけど??」
「レオのセンスにお前のスペックが合ってねぇんだよ。絶壁が。」
「パリィン。」
あ、砕けた。サラサラになった。
ぜ、絶壁って…胸の事…だよね?
そりゃさ?イヴ君は素敵なお姉様方を見てるだろうけど。
本人に絶壁なんて言わなくても…いいじゃん。
「し…シーは…あるもん…」
「嘘つくな。こっから見ても真っ平らだぜ。その貧相な体誤魔化すにもソレは最適だ。当日はソレを着て来い。いいな。」
「…」
「ふん。俺は戻る。レオにも言っとけ」
って。そう言って本当に戻って行った…。
今回はさすがに…立ち直れなさそうです。
レ「ただいまぁ!はぁ〜スッキリした。って杏!?なんで灰になってるの!?」
「どうせ絶壁です…たしかに私の周りの子、皆ボンキュッボンです。でも…だからって…」
レ「絶壁?なんの事??あらん?その着物…どうしたのかしら。」
「…大魔王イヴ君から渡されました。」
レオさんがカクカク私を揺らす。でも私今とても深刻なダメージを受けてます。
再起動不可です。
もうなんか…こんな言われるなら行かない方がいいのでは。と思えるほどです。
レ「あらー!!じゃぁ坊ちゃん、この為にわざわざ買ってたのね!てっきり奥様への贈り物かと思ったけど…そうよね、それにしちゃぁ髄分可愛らしいデザインよね。」
「はぇ…?」
レ「学園祭の後、坊ちゃんが帰るって日にわざわざ早起きして出かけたのよ。あの寝坊助が珍しいと思ってたら…杏に渡す着物が買いたかったんだわぁ。」
「さ…さようで…」
たしかにイヴ君、どこか出かけてたみたいだけど。このためだったんだ。
でもそれを知っても回復しませんでした…
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