第17話 死亡フラグ?生存フラグ?
レオさんが遅いって怒ってプリプリしてた。
イヴ君もイライラしていてレオさんまでイライラしだしたら気まづいから私が呼びに行きますよって声かけたの。
レオさんは部屋で待つだけにしなさいね!って言ってくれたから言われた通りイヴ君の部屋にある鏡の前で待ってた。
そうしたら、扉が少し開いて。
怖い顔のイヴ君が警戒するようにチラッと部屋の中覗きこんでた。
かと思えば私の肩を掴んで、すごく真剣に…心配だって顔して”こっちに来るな”って。
だんだんとイヴ君のトゲトゲしさがなくなってきたのは感じてた。
それでも…あんなに瞳を揺らすイヴ君を私は見た事がない。
ードサ!
レ「んま!?大胆な飛び込みね、杏!」
「レオさん…」
レ「あらん?なんで泣いてるの?また坊ちゃんにイジワルされたかしら?」
「ブンブン…」
私の返答に首を傾げるレオさんに、さっきイヴ君から渡された手紙を渡す。
そうすれば目を見開いて一瞬だけ怖い顔になった。
レ「杏、どこも怪我してないかしら?」
「わ、私はっ…大丈夫です…ひっく…でも…でもイヴ君が…」
レ「坊ちゃんがどうしたの!?」
「こっち来るなって…あ、あんなに心配そうに見つめられるの初めてで…ひっぐ…ぅぐ…」
レ「ズテッ!))んもう!紛らわしい!坊ちゃんは無事なのね?」
「コクコク…」
何か大変な事が起きてるのは間違いないみたい。
イヴ君、私を巻き込まないためにあんなに注意してくれてたんだ。
きっと手紙にはそれを報せる事が書いてあったんだと思う。イタリア語なら私が分からないから…
「レオさん…っ」
レ「大丈夫よ、杏。坊ちゃんってすごく強いのよ?さすがボスの息子なだけあるわぁ。」
「うっぐ…ひっぐ…」
レ「冷静沈着で人の心ない!なんて言われてたんだもの。」
「そ…それは分かる気が…」
レ「んふふ!でもね、そんな坊ちゃんもようやく人らしくなってきたの。あなたのおかげで。」
「??」
レ「坊ちゃんに押し返されたんでしょ?悪いけど私も帰るわぁ。杏は無事だって、伝えてあげないと♡」
んもぉやぁだぁ〜!なんていつものように話してくれるレオさん。
きっとすごく気を使ってくれてるんだろうな。
すごく優しいから…。
「レオさん…私、学園祭頑張りますから…」
レ「んふ♡そうね、ちゃんと制服も届いてるし!ちゃんと見に行くわよ?動画も撮っちゃう♡」
「はい…。イ、イヴ君とも約束しましたから…っ」
レ「え、坊ちゃんとも!?やだ、不吉っ!!死なないわよねあの暴君坊主!!」
「っふふ!また、お菓子一緒に作って下さい…」
レ「杏…。ここまでの会話、死亡フラグじゃない?」
「そんな事ないです!!生存フラグですっ。もぉ…」
こんなにも強いレオさんには一生かかっても敵わないよ。
適うとも思わないけど…。
レ「心配しすぎよ♡私だって坊ちゃんの第一ボディガードとしての最強スキルがあるんだから♡それじゃ、行ってくるわねぇ〜ん♡」
「はい…っ。気をつけて」
パチン!てウインクとチュッていう投げキスをしてレオさんが帰っていく。
扉を閉める時に見えた顔はとても怖い顔だった。
でも…私は力になれないから…
「言いつけ、きちんと守らないと。」
鏡閉まっておこう…。
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