フェリア ～女性が絶滅した世界に青い雪が降る～

女性がいない未来の世界で、主人公が女性探しの旅に出る──なんとも独創的なストーリー！
ヒロイン不在かと思いきや、ちゃんと女性(アンドロイド)が登場し、これまた可愛らしいキャラクターで、ほっとしましたｗ

SFというと……独自の世界観や単語がどんどん出てきて、理解と想像が追いつかなくなるイメージがあったのですが──この作品はとにかくわかりやすく読みやすい文章で、こんな自分でも頭の中でその場面場面を描くことができました。
おかげさまで、先が気になって仕方ありませんよ。

さぁ、この旅の先には何があるのか？
女性は見つかるのか？
その女性と女性型アンドロイドとピコｗ、この作品の真のアイドルになるの…続きを読む

この作品の主人公はカイル・ウォーカー、
ウィルスにより、女性がいなくなった世界で暮らす二十歳の青年です。
誰もが女性の存在を諦めた世界で、彼だけはその存在を感じていた。

何か秘密がある。
必ずどこかにいる。

導かれるように旅立つ彼を待ち受けるのは、いくつも絡み合った秘密で、読み手を飽きさせないストーリー展開は見事です。

特に私のお勧めは、台詞からの心理描写の流れでしょうか。
笑う場面でさえ、選んだ言葉はインパクトがあります。

きっと作者さまは、登場人物の声を聴くことが出来る。
作品に熱量を持っている証拠言えるでしょう。

流れる文章で、目で追える世界観を楽しんでいただきたい。
ラスト…続きを読む

時は今から約1,000年後。
女性に感染しやすいウイルスによるパンデミックで女性と男性は隔離されたものの、女性は絶滅してしまったと言われる世界––––。

「ガイアシステム」に生殖を支配された場所で生を受けた主人公であるカイルは、二十歳の誕生日を迎えたことを機にガイドパートナー（生体アンドロイド）であるアナと共に女性を探す旅に出る。
––––それが、彼の運命を……そして、世界の運命すら変えるとも知らずに。

壮大な時間軸で描かれるこの作品は、緻密に練られた設定と圧巻の美しき情景描写に彩られています。
本作は私はほとんど初めて読んだと言っていいSF作品なのですが、作者様がキャラクター達の心理描…続きを読む

―　パンデミックによって女性が絶滅したと言われる世界。地上には男性だけが生き残り、生殖は「ガイアシステム」によって管理されていた。航空機や高度な技術も封印され世界は閉じていた。
それから500年後、ウィルスは絶滅し、ガイアシステムは『二つの世界』の隔離プログラムを解除する。そして物語の主人公カイルは、アンドロイドのアナを伴い幻の女性フェリアを探す旅に出る　―

この物語の最大の魅力は、500年前から練られた壮大な計画や、青い雪を起因とした全球凍結による地底世界への避難といったスケールの大きな世界観にあります。
さらに、主人公カイルをはじめとする登場人物たちの驚くべき正体、スターライナーや生体…続きを読む

時は3024年、パンデミックのため女性が絶滅したとされる世界。主人公カイルは20歳の誕生日を迎え、ガイドパートナー(生体型アンドロイド)のアナとともに女性を探す旅に出ます。

もうねー、これぞSF！読んでいてワクワクしました。

女性は本当に絶滅したのか？
500年前に一体何があり、何が隠されているのか？
そもそもカイルは何者なのか？
謎の連続で考察が捗りまくる作品です。

中盤、ある乗り物に乗って無理矢理離陸するシーンが描かれるのですが、スピード感溢れる展開がまるでSF映画のようです。
おすすめ作品です！

私が作者様の書かれた物語を読ませて頂くのはこの作品で二作目となるのですが、読者を一瞬にして惹き込むような設定を物語に組み込まれることにほんとに長けた方だと思います。

女性が絶滅した世界。この設定に、前作もさることながら今回も一瞬にして惹かれました。

舞台はパンデミックが起きたあとの近未来の世界。主人公のカイルはアンドロイドのアナと共に、もやは伝説となってしまった女性を探す旅に出ます。けれど、それからというもの幾つもの障壁が二人の前には立ちはだかります。

ジャンルで言うとSFとなるかもなのですが、作者様は一人一人のキャラクターの心情を大切にされていて、それを明確に読み手に提示してくれるの…続きを読む

女性が絶滅した世界が舞台となっていて
20歳の誕生日を迎えると、人生のパートナーというべきアンドロイドが支給される

主人公のカイルは、パートナーのアナと共に『女性』探しの旅に出る
そして、奇跡的に生き残っている女性のフェリアと出会う

青い雪の意味や運命の導きによって出会う人々との絆
緻密に練られた世界観は圧巻で、何度も読み返したくなるそんな作品

壮大な世界の中で彩られる、極上のSF作品です

　女性が絶滅した近未来……

　管理システム「ガイア」に支配された世界で、20歳の誕生日を迎えたカイルは、人間と見紛う美しさを持つ女性型アンドロイド・アナをパートナーとして支給される。

　西方の制限エリアへ旅立ったカイルは、そこで生き残った女性フェリアと運命的な出会いを果たす。さらに、謎の男ザックも現れ、物語は大きく動き出す。青い雪が降りしきる終末世界で、カイルと仲間たちは人類の未来を切り開くことができるのか？

　生まれながらに男性しかいない世界を経験していたカイルくん。
　彼は女性の存在を信じ、まだ生存していることを確信しているようだった。もちろん女性にうつつを抜かすカイルは変人扱いだ。
　成人となったときにガイドパートナーとして女性型のアンドロイドを授かったカイルは、西へ向かうことを決意する。
　本来ならマザーコンピュータに拒否されるはずの提案だったが、意外にもその申請は受理された。
　ＧＯ　ＷＥＳＴ。
　新たな大陸において、カイルは女性に関する手がかりを手に入れられるのか。

　青年の旅路はまだ始まったばかり。
　今からでもじゅうぶんに物語に追いつけますので、ぜひご一読くださいませ。

伝染病によって女性が死に絶えてしまった近未来の世界を舞台にしたＳＦ作品です。
男性のみの世界となった特殊な設定も、スルスル入る説明により無理無く、作品世界に没頭出来るのが、素晴らしい。

そして、この作品の全体に漂う清々しい静謐さや、静かな時間の流れを感じさせる空気は、作者様の卓越した筆力や表現力によるものだと思わされます。
個人的には第一話の出会いの場面が白眉でした。

大人のための上質なＳＦ作品になっており、静かな夜にお酒を飲みながらゆっくりと静寂と一緒に楽しんでもらいたいな……と、自信を持っておすすめ出来る一作です。