第32話

ゼェ ゼェ

俺から見てアホ二人の華音と柳は 最早疲れ気味だ

無駄な言い争いしてるからだろ全くと俺は溜め息を吐き

楓は二人の息が整うと同時にトイレのドアを開けた


うん、今やっと男子便から出れたんだ

只今11時10分

10分も時間無断にしたという事になる



あ~いつになったら音楽室までたどり着けるのだろうか、心配になってきたよ


音楽室はこの本館からまた離れた特別棟にあり結構遠い



しかも、今は下からは行けないという事もあり

特別棟に行く為に本館がコの字になっているため、グルリと周りこまなければ

特別棟と本館を繋いでいる廊下に行けないという。





そしてその繋いでいる廊下は二階にしかないために

まず階段を上がり繋いでいる廊下を渡って特別棟に行き、音楽室のある四階まで登らなければならない





結構遠いのだ






「てか、音楽室って理科室の隣なのね……」

そう呟く華音に



「なんだぁ?怖いのか!」と言ってやる




「はぁ?怖いなんていつどこで誰がいったのよ?


あんたじゃないの?怖がってるの」


俺の一言がきったけでムキになりまた昼の言い争いが始まる


もうこうなったらとめられないのが俺達だ



すると言い争いがヒートアップする前に「唯、華音ちゃん早く、置いてくよ」と楓が言う



ゲッ置いてかれるのは勘弁と慌てて楓の後ろについた



つか、華音が先頭じゃなかったの?ねぇ…?

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