第5話

 リナとヒョウガの戦いの後、クエストをこなしながらの特訓中。

「今日は『シュート』より威力の高い『バーストシュート』をやってみましょうか」

「バースト?」

「シュート?」

 俺とアリアは揃って首を傾げる。

「簡単に言うと『シュート』より魔力を込めて放つだけなんだけどね。もちろん威力は込めた分だけ上がるわよ。ただし、放つ際には込めた分だけ負荷は掛かるけどね」

「こんなの簡単っすよ。うおりゃ!」

 そう言ってハヤテは『バーストシュート』を放つ。見事にゴブリンに当てて一撃で倒す。

「まあこんなもんすかね」

「す、凄い……!」

「やっぱお前凄いな」

「ほらあんたたちもやってみなさい」

 さっそくやってみる。いつもの『シュート』よりさらに魔力込めて……。放つ!!

「いっけぇえええ!……って、全然違うとこにっ!!」

 あらぬ方向に飛んでいった魔弾は大きな音を立てて地面を抉った。

「まあ最初は仕方ないわね、威力が高い分『シュート』より制御は難しくなるからね」

「それを最初に言ってくれよぉ……」

「何事も経験が大事よ」

 今度はアリアがやるようだ。

「えーい!」

 俺みたいになるのかと思っていたら、アリアは『バーストシュート』をゴブリンに命中させていた。

「あ、当たった!」

「やるじゃないアリアちゃん」

「当てられなかったのは俺だけかぁ……」

「あんたはまず『シュート』の精度をあげた方が良さそうね」

 リナは苦笑いしながらそう言った。

 うーん、遠くにいるから当てられないなら近付けば当てられるか?けど、近付いたら攻撃されるか……。

 どうすればと、頭を抱えるカイトだった。

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