概要
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『オンネトーの森』
登場人物一覧
【加藤顕花】
30代女性。闘病後、飼い猫を亡くし、それ以来スーパーと自宅を往復するのみの毎日を過ごしていた。
【青磁理央】
通称セジ。16歳の専門学校生。1人で暮らしている。ハンバーグレストランでバイトしているほか、単発でモデルの仕事もしている。
【小山友梨奈】
セジがバイトする店の同僚。服飾の専門学校生。22歳。セジに好意を持っている。
【野木晋二郎】
セジがバイトする店の店長。セジのことを気にかけている。
【野木知坂】
野木晋二郎の兄だが
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この物語は、カクヨムという器では窮窟すぎる。
第一章を読み終えた時、何故このお話が無料で読めるのだろう……と愕然としました。そしてそれは、第二章第三章と読み進めるにつれどんどん膨れ上がっていき、全てを読み終えた今、確信いたしました。
この物語は、カクヨムという器ではあまりにも窮窟すぎる。もっと。もっと私たちの手の届かない、そう、指の先でさえ触れられぬほどもっと遠くに羽ばたくべき物語なのだと――。
物語の主役は、歳の離れたふたり。
親から見捨てられたセジと、円環を絶たれた顕花です。
喪失という癌に蝕まれ、苦しみ、痛み、それでも尚、他者を求め息をするふたり。
死臭さえ漂うリアルな毒々しさ。そして、齎される一滴の薬。
痛みは消えるこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!投影、儀式、その向こう側
赤札の貼られた欠陥品は「いらない」もの。でも、必要な環境や養分がバランスよく揃えば、生き延びる。
毒は薬。効果は症候群。呪いは祈り。
傾きすぎれば、腐って枯れる。
無意識に自分をすり減らしてしまっていたら、そのことに意識を向ける。自分の意思は、己の内側を助け得る。
序盤で感じたそのようなことが、ずっと頭にありました。
感想をハッキリと言葉にはめたくない作品だなぁと思います。だから、受け取ったものは自分だけのものにして、大事に両手で包み込むことにします。
目に映るもの、手に取るものの描写が詳細で生々しかったです。物語はじわじわと染み込んできて、時間差で「あっ」となることもありました。このレ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!湖畔の森の中で、静かに息をする。
主人公はピリカという店に通っている女性だ。「ピリカ」とはアイヌ語で一般的に「美しい」と訳されてきたが、現在では「良い」や「好ましい」などの拡大解釈もされている。そのピリカではよく観葉植物が売られていた。主人公は値下げされ、廃棄処分寸前の観葉植物を購入しては家に持ち帰っていた。まるで、処分されるはずだった命に、自らの手で息を吹き込むように。
そんな中、主人公の女性はツバメのタトゥーを入れた青年に出会う。祖父母の育てられたという青年は、ピリカと言われながら育ち、タトゥーのこともシヌエと言われたという。シヌエもアイヌ語で「私を染める」という直訳になるが、意訳すると「刺青(文身)となる。どうやら…続きを読む