電脳特殊捜査隊

銃を構えて、今日も放つ。

硝煙が暗い倉庫に漂い、そしてその匂いが血の匂いと混ざり合って部屋を満たすとき、俺は、腕時計の中に銃を仕舞う。

月明かりに照らされる今日この頃。

港の近くで、俺はいつも通りに人を殺していた。

周りにはコンテナと死体。

そして、俺は少し歩いて、死体が握っているブリーフケースを奪い取る。

「これが…核爆弾か…」

こんな危険な物を取引しようとするなんて、こいつらは…

全く…世界は薄汚いな…

こんな俺みたいな汚れ役がいない限り世界は汚れてしまう。

どうかしている。

と、その時。

パアン！！！！！！！

俺の心臓を弾丸が貫いた。

「よぉ。ご苦労さん。」

そう言って、スーツ姿の男が、倒れた俺の元へとカツンカツンと、靴音を鳴らして近付いてきた。

「じゃあな。」

男は言うと、俺の頭に向かって弾丸を何発か打ち込んだ。

パアン！！！パアン！！！パアン！！！！

「よっし。こいつが確か電脳特殊捜査隊…ってやつか？」

「だと思うぜ。まあ、所詮はこの程度だよ。」

男たちは、ブリーフケースを持つと、早々にその場を去るべく、車に乗り込もうとした。

「おい…まだ生きてるだろうが…」

俺は、言う………

「ば、馬鹿な！？もう、トドメはさした！！！！なんで…なんでお前、頭に鉛喰らっても動けるんだよ！！！！！」

ウルセェ！！！！！！

俺は、引き金を引いた。

「お、おい！！！お前ら…！！！車から降りろ！！！！！マシンガンだ！！マシンガン持ってこい！！！！！」

そして、次の瞬間、俺の体が何百発もの弾丸に晒される。

足の爪から頭の天辺まで、すでに蜂の巣となっていた。

ああ…痛い…クソがぁぁぁぁぁ！！！！！！！

「いてぇんだよ！！！！！！！」

「なんで生きてられんだよ！！！！！」

俺は、そこらへんに転がっている拳銃を、足で弾き飛ばし、空中に浮いたそれを掴み取る…

車内に5人

車外に1人…

車との距離は10mほど…

俺は、弾き飛ぶように走り出し、その車外にいる的にまずは1発…

「グアアア！？」

「おい！！！！」車内から聞こえた…

俺は、銃口を車の窓に向ける。

バアン！バアン！バアン！バアン！

窓に血が飛び散り、車の中がすでに見えなくなる。

やっぱり、車の中から撃つのは得策じゃないんだよ。

「う、うわアアアアアアアア！！！！！！」

と、今度は、車の中から逃げた1人が、ナイフを使って、俺の左の肩と、首の付け根に向かって刺す。

それも長めのナイフ。

多分50センチはあるだろう。

心臓にナイフが突き刺さっている。

トクン。と鼓動をする度に痛みが体に広がる。

「死ねええええええ！！！！！！！！！」

そして、今度は、至近距離から俺の頭に目掛けてマシンガンを突き刺した。

ゼロ距離射撃。

ナイフの所為で俺はまともな拳銃を飛ばしてしまったので、拳以外に体を守る方法はない。

まあ、守らなくても良いんだけど。

と、走馬灯のように、少し時がゆっくり流れたように感じたその時、マシンガンの弾丸が、一気に放たれた。

放たれた弾丸の所為で、目玉やら歯やら脳みそやら頭蓋骨やらが、周囲に飛び散る。

それもぐちゃりと。

「はぁ…はぁ…はぁ…！！！！」

敵の男は、俺の血を拭いとる。

そして、「気持ち悪りぃ…」と吐き捨てた。

「おい…待てよ…」

「っい！？！？」

「驚くなよ…なんだ？脳みそが弾け飛んだ奴が喋ってるのがそんなに気持ち悪いか？」

「お…お前なんなんだよ！！！！！！」

震えた声で男は言った。

いや、言ったではなく、叫んだ、が正しい表記だろう。

「俺か？俺は人工知能かな。人間の回復能力やら身体能力を底上げした挙句、改造された人間に組み込まれたAI。人間の脳に直接にAIを仕込んじまったから、人間の感情は当に理解している…お前が今感じているのは、恐怖…そうだろ？」

「はぁ…はぁ…」

「すぐに解放してやるよ。」

俺はいうと、その脳みそを引きずって、立ち上がる。」

「ひぃ！？！？！？」

「そして、俺は肩にちょうどぶっ刺さっていたナイフを抜きとった。コツン。コツンと歩み寄る。俺は、そいつの顎を口で押さえると、ニヤリと笑いを浮かべた。頭の半分が割れている状態で、笑ったのだ。なんつってな。えい。」

俺は、その男の首をナイフで切り取る。

そいつの首は苦しいのか、まだ、意識があるようで、口をパクパクと動かしている。

確か、首を切ったら、人間は少しは意識がある。

つまり、今こいつには、トドメを刺さないとということだ。

「じゃあな。」

俺は言って、その生首にナイフを突き刺した。

頭蓋骨を割って。

はぁ…本当に、俺は人間じゃないみたいだ。