第5話 

 店内に入ったわたしの目に飛び込んできたのは・・・、先入観とはこわい? 怖いですね、怖いですね、それじゃあ、さいなら、さいなら、さいならの故淀川長治さんではなく、あれほどのロボットを作る会社だから高級スーツに身を包んだ男性や女性が何人もいて、わたしのような者は入ることさえ尻込みするような雰囲気を漂わせているかと思いきや、なんとラフな格好の若い男の子が一人? 座っているだけでした。なんだ、亡~んだ・・・、ワハハ、ドキドキハラハラの七回忌? そんなもの、まったく必要なかったのです。 

 皿に、アハハ、さらに男の子は、どこから見てもハーフ・・・、ではあ~りませんか、故チャーリー浜さんのもじり、外人ぽい顔をしていて、それが何故か私をホッと? ホットコーヒーも冷めればアイスコーヒー、ウフフ。Getup、getup、getup、getup、Burninglove、な~んてね、オホホ。中森明菜さんのDESIREの一節だが、それはともかくも、親は映画好きだったので・・・、というより昔は娯楽という娯楽がなかった! へぇ、そんな時代もあったのか? そんな時代もあったねといつか話せる日もくるわ・・・、中島みゆきさんの時代の歌詞だが、アハハ、わたしもやっと話せる時がきたのです。お前、なにを力んどんじゃ!  力む、体に力・・・、息をつめる・・・、利金? 利金? 金が高騰しています! ワオー、足し蟹、足し蟹、こりゃ股関係ない、ごめん臭い・・・、オ-ホッホッホ。

 とにかく昔、わたしは親と洋画を・・・、はぁ、なんで邦画じゃないんだ? そ、それは・・・、それはねっ、親がみたいと言ったからよ、だから日本人より外国人になぜか親近感をおぼえるわたしなの、な~んてね。Getup、getup、getup、getup、Burninglove、ウフ、ウフフ。それも友欠く、ウウ、ウウウ、涙、涙・・・、生だ、ビールだ、生ビール! ハハハ。お前なぁ、そんなの関係ねぇ! えっ、小島よしおさんのパクリ? まぁ、それはそれとして、先ほどまでの二つの気持ち・・・、欲しいと躊躇する気持ちに苛まれ揺れ動いていた吾輩の心は瞬時にかたまり、どうにかなるさ・・・、今夜の夜汽車で旅立つ俺だよ、あてなどないけど、どうにかなるさ、あり金はたいて切符を買ったよ、これからどうしよう、どうにかなるさ、ムッシュかまやつさんの歌のように、腹をくくっていたのです。

 とはいえ如何せんあるものが・・・、手持ちの金が思うほどない! トホホ。そこで、

「ロ、ロボット・・・、買いたいのですが、月々の分割でも大丈夫でしょうか? それとも一括払いでしか・・・、ダメですか?」

恐る恐る・・・、恐れれば必ずやってくる! これはわたしの経験則で、それでは困る野田が、エヘヘ、おまるではありません! そのため祈る・・・、払い給い、清め給え、神ながら、守り給い、どうか、どうか、来ないでくださいと情けなくも若者の顔色を見ながら・・・、キンモクセイの剪定! 台形がよいのか? ジョウゴ形がよいのか? だが、あに反して・・・、あに図らんやにプラス意に反して、アハッハ、今の政府と同じだ、複雑怪奇! 法律も税も付け足しつけ足しでゴテゴテ・・・、まるでアントニオ・ガウディのサラダファミリヤのごとく、またアインシュタイン博士も言ったように六歳の子供にも説明・・・、簡潔さは真実の鍵であり、簡潔さこそ真実の鍵にほかならない、そうでなければ複雑怪奇! 奇奇怪怪・・・、奇怪千万・・・、複雑多岐・・・、な~んてね、ワッハッハ。

 まあそれもおいておくとして、若者は値踏みするわけでもなく・・・、実際には値踏みしている? していたのかもしれない野田が、アハハ、整えた眉毛一本動かすことなく、ごくごく自然に、

「はい、割賦販売でも大丈夫ですよ。カードか、通帳、それに銀行印とマイナンバーカードをお持ちであれば、すぐにでも手続きができますが、どうされますか?」

春風のような・・・、春よ、遠き春よ、瞼閉じればそこに、愛をくれし君の、なつかしき声がする、松任谷由実さんの春よ来いだが、これが秋の風だったら、さわやかさどころか即、暇乞い! 物言えば、唇寒し、秋の風、芭蕉さんの世界になって断りを入れ飛び出していただろう。デモ、ウフフ、

「も、持ってきていますから、お、お願いします!」

ジョニー・デップのように、わたしは返事をしていた。

 ジョニー・デップ? 自分でも訳分からんが、とにかく分割がダメなら頭金でなんとかと考え、通帳と印鑑、身分証としてのマイナンバーカードをポケットに入れていた野手・・・。ウフフ、素手でキャッチボール・・・、いたいよ! いたいよ! ヤバイよ! 出川さんではないが、とにかく、もう少しで『よかった、よかった、あ~リがたや、ありがたや』と踊りだすとこだった。そしてポケットに手を突っ込み銀行印を握りしめると、

「そ、それでは、分割で!」

はしたないくらい気持ち丸出しで言っていた。もっともそんな私の気持ちなど若者は知る必要もなければ知りたいとも思わないだろうから、動揺と興奮に揺れる私を淡々と見ながら、

「かしこまりました。」

と言い、カウンターの下から何種類もの書類を引っ張り出して天板に並べると、よどみなく説明を始める。

 吾輩は金太郎アメのような生活? まいにち、まいにち・・・、毎日新聞ではありません、まいにち、まいにち、僕らは鉄板の、上で焼かれて、いやになっちゃうよ、およげたいやきくんの歌詞だが、変わり映えのしない、たいしたことも考えていないわたしがこんなに真剣に人の話しを聞いたことがあっただろうか! それはそうと・・・、金太郎アメ? そういえば、近頃の政治家は金太郎アメ・・・、アッハッハ。質問も答弁も・・・、まあ、それも老いておくとして、ハハハ、若者の説明を一通り聞き、ひな形に目をやりながら一字一字記入していくが、如何せん何枚もの書類を一度に書くのは下手くそな原稿を書くようなわけにはいかず、自分でも思ってもいなかった汗が額や首筋に湧き上がって北野・・・、ハハハ。北の酒場通りには、長い髪の女が似合う・・・、細川たかしさんの北酒場だが、お湯かけて、お湯かけて、お湯かけて居眠り~、居眠りしちゃダメ! 吉幾三さんの雪国と広瀬すずさん、な~んてね、Getup、getup、getup、getup、Burninglove。











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