第34話

すごいわ、ほんと。

この人の見える世界ってファンタジーじゃん!



「でも汚いとそのうち身体にバイキン入って危ないから洗うよ。」


「え、ちょ……っ!」



あまりにも優しい手つきで撫でられていたと思えば、強制的に腕を引かれて彼の腕の中でシャワーを浴びていた。



あたしが暴れても片腕に抱きとめられており、もう片方の手があたしの身体を洗ってくるのだ。



ええ、それはもう。

女としては隠したい部分も触られたくないところも躊躇いなく。



恥ずかしくて死にそうとはこういうことだろう。

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