第15話

その言葉に思い浮かぶのは今日の葬儀だ。



あたしは空っぽになってしまうのかと。



空っぽになってどこに行くんだろうと。



死に悲しみを抱いたことは無いけれど。



あたしは昔から人一倍、死への恐怖はあったもんだから。



_____殺らなきゃ殺られる。



そう思った瞬間、自分でも驚くほどの行動に出ていた。



目の前の男が光らせるナイフへと手を伸ばし、油断した彼の握力から難なくナイフを奪い。

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