第6話

今日は初授業!手には傷ひとつない新品の教科書。



1-Aの教室の前に立って小さく深呼吸。よし行こう。



ガラ、とドアを開けると相変わらず賑やかな教室内。



「…」



うるさいな~。まぁ、そのほうがリラックスできるしいっか。



「起立~礼」



昨日決まったばかりの学級委員の号令で授業開始。



「まず始めに中学の軽く復習から!」



気合い入れて顔を上げた瞬間みんなのテンションガタ落ち。



プチ不良なんかゴンッて机に顔ぶつけたし。



「露骨に嫌な顔すんなよ。まぁ数学は確かに面倒な教科だけど」



「秀ちゃんって変な先生だな。普通担当の教科を面倒なんて言わねーよ」



クラス中の笑いと共に聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。



プチ不良っ。名前は昨日覚えたぞ!



「高橋っ、俺は変じゃない!」



「ははっごめんて!」



軽くなだめられてさらにショック。まぁいいや。授業しよう授業!







こうして俺の初授業が始まった。



「あれ?」



授業も後半に差し掛かった頃、後ろの席の生徒が目に入った。



…えっ寝てる?



見間違いじゃなくてまじで爆睡してる。初授業で寝るなんて度胸あるな~。



「じゃあ今日はここまで」



その生徒を最後まで気にしつつも授業をした。



この学校に来て初日の授業の感想は、正直疲れました。



やっぱ教師って難しい職業だなって思った。何回授業してもそう思うけど慣れていこう。

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