第2話

少し緊張しながら担任を受け持つ1-Aの教室のドアを開けた。



「…」



教室に入るなり超静かで物音ひとつしない。生徒達はビシッと席に座ってる。



えっ?超良い子たちじゃん!と、ホッと一安心。



「起立、礼」



クラス中を見回しながら号令をかける。



うわっ!イスの引きずる音もしない!なんか感動~。



「えっと1-Aの担任になった高瀬秀(たかせしゅう)です。よろしくな!」



軽くお辞儀して顔を上げた瞬間



「あ~よかった!」



「俺ら運良くね?」



「嫌な担任だったらまじ勘弁だったし!」







…ん?んんん~!?



俺が自己紹介した後、みんな緊張の糸がほどけたのか一気に話し出した。



なんだ。ただ緊張してただけか。まぁ静か過ぎるより明るいほうが良いな。



「先生何歳~?」



みんなの様子を伺ってたら早くも質問タイム~。



「25だけど?」



正確に言えば今月25歳になったばかり。



そして普通に答えたはずなのにクラスのみんなは



「「ぇえ~!!」」



の一言。え、何その反応。軽く傷付くんだけど。



「若!」



25歳って高校生からしてみれば若いの?全然おじさんじゃん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る