第3話

「すみません」



深々お辞儀をしてお詫び。小鳥さんがお休みになっているのに僕は横で何をしているのでしょう。



「予鈴が鳴ってしまう」



急がなければ。次の授業に出席してもらうためには早く起こして



「司…せん…せぇ」



ギクリ、とたじろぐ体。



「なにやってるの」



いきなり声がして思わず後ずさり。まだ寝ぼけてるのか目がトロンとしてる。



「あの、えぇと」



甘い声にふにゃ~んとした作用が加わり、すごく心臓に悪い。



助けて下さい。非常にドキドキしてしまいます。



「もうすぐ3時間目の予鈴が鳴るので、そろそろ起きましょう」



くたっとしてて起きる気ゼロの小鳥さんに酷なことを言ってるのは分かってる。



「ううん」



「ううん?」



えっと。どういう意味の“ううん”なんでしょうか。



「青…まだ眠いの」



ふにゃふにゃ寝言のような口調。不覚にも胸が高鳴ってしまう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る