第25話

ある日、緋之助がいつものようにお寺に遊びに来た。彼は最近、風に外国の本を読んでもらうことが楽しくてたまらなくなっている。風が読み上げてくれる少しぎこちない英語の訳は、緋之助にとってとても新鮮で、不思議な物語が展開されていくようだった。


「風、今日はこの本も読んでくれる?」と、緋之助は嬉しそうに新しい本を差し出した。風は軽く微笑んで受け取り、内容を確認しながら、少しずつ日本語に訳していった。緋之助は風の話す言葉を一言一句真剣に聞き、外国の世界に思いを馳せた。


一方で、千歌も「緋之助くん、算数できる?」と声をかける。実は、千歌が最近、緋之助に算数を教えるようになっていたのだった。風と千歌の時代の小学生にはおなじみの算数でも、江戸時代の緋之助にとっては少し難しく感じられる部分もあった。


「えっと…こういう計算、どうやってやるんだっけ?」と、緋之助が首をかしげると、千歌が「ほら、こうやって足し算するといいんだよ」と教える。最初は戸惑っていた緋之助も、千歌の根気強い教え方に徐々に理解が深まり、少しずつ算数の楽しさを感じるようになっていった。


このように、緋之助は風から外国の書物の知識を、千歌からは算数を教わり、2人との交流を通して様々なことを学んでいった。彼にとっては、2人との時間が日常を彩る貴重なひとときとなり、また2人も江戸時代の暮らしを通じて新しい発見を得ていた。

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