第23話

何日かが過ぎ、お寺で住職の手伝いをしている最中、2人の目の前に見覚えのある顔が現れた。あの京都の町で出会った男子だった。千歌がすかさず、「あ、あの時の男子じゃん!」と声を上げると、男子も驚きながら、「あれ、お寺の子だったのか」と少し照れくさそうに笑った。


その男子は、改めて礼儀正しく一礼し、「齋藤緋之助です」と名乗った。風も微笑みながら「風です」、千歌も続いて「千歌です」と自己紹介した。3人は少しぎこちない雰囲気で会話を始め、次第に打ち解けていった。


緋之助が運んできた荷物を指して、「実は僕、小物屋の息子でして、お寺の御用聞きとしてこうやって色々と商品を届けています」と説明すると…。風と千歌はその話に興味を持ち、「それってどんな商品?」と緋之助に尋ねた。


緋之助は得意げに、小物屋の人気商品の話や、江戸時代の暮らしに便利な道具の話を始めた。風と千歌は、見たことのないような商品がずらりと並んでいるのを目にして、「へぇー、面白いね!」と感心しながら次々と質問を投げかけていった。


住職もその様子を微笑ましく見守りながら、緋之助に「せっかくだから、いくつか買わせてもらおうかね」と声をかける。緋之助は嬉しそうに頷き、商品の説明をさらに丁寧に続けた。


こうして、お寺での生活に新たな出会いが加わり、風と千歌にとって少しずつ江戸時代の暮らしが身近になっていくのだった。

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