第23話

でも…




癌に蝕まれた身体はもう手の施しようがない状態。






日に日に衰弱していく身体。





痩せていって小さくなっていくお母さんを見るのが辛かった。





何も出来ない…





私は無力だ。





そしてある日



私とお父さんはいつものようにお見舞いに来ていた。





毎回帰るときにお母さんと握手をするんだけど、そのときにお母さんが悲しい顔で





「ごめんね…」





と一言。





私は「なんで謝るの??」





なんて言ったけど…

お母さんはもう死期が近いこと分かっていたんだろうな。





私はそのあとにまたね。といつものように病室を後にしたんだけど…






まさかそれが最後に交わした言葉になるなんて。





ーーーあのときのお母さんの「ごめんね」にはきっとたくさんの思いが込められていたんだろうなと思う。




このときは気付かなかったけど…



気持ちがこもっている言葉って重いものなんだなぁと思ったーーー

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