第22話

そしてチューブの人工呼吸器をつけることになった。







ずっと嫌な夢の中にいるんじゃないかと思う日々だった。







ある日の夜、おじいちゃん達がお見舞いに来ていて、病室にいたんだけど、お医者さんに呼ばれてお父さんと一緒に病室を出ていった。





私を残して何の話だろうと思った。







お母さんとふたりきりの空間






お母さんはそのときすごく辛そうにしていて…







意識が朦朧としているかんじだった。





私は泣きながら





「良くなって家に帰るんでしょ!」




お母さんに言った。




今まで何度も言ってきた言葉だったけど、この時は感情的になってしまった。





私の心からの願い。






そして前向きな言葉で少しでも前を向いてほしい、想いが届いてほしいと思ってたくさん声をかけた。






辛そうだったけど、お母さんは私を見てうなずいてくれた。






想いが伝わったのか…そのあと状態が落ち着いてくれた。





あのとき、お父さん達がお医者さんに呼ばれた理由は、今日が峠かもしれないと伝えられていたみたい。






お母さん頑張ってくれたんだね。






落ち着いて良かった。

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