第8話

お母さんがタバコを吸ったり悪いところが目立ち始めて少しした頃…





ある日、お母さんとお父さんが重い空気で話をしていた。





私は近寄れずにいたんだけど、その話の後にお母さんから



「お父さんとお母さんが離れ離れになったらゆりはどっちに付いていく?」


と聞かれたときがあった。





お母さんは何を言ってるの...?




言ってることが理解できなかった。



私は暗い表情になって


どっちかなんて選べないよ。と言った。






二人が離れるなんて少しも考えられない。





ありえないことだと思った。





そんなの絶対に嫌だ...





でも、そのあと私のことを思って二人共考え直してくれたのか、いつもの変わらない仲の良い二人に戻ってくれていた。



私はただただ良かったとその時思った。




ーーでも...そのとき両親はそれぞれどういう気持ちだったのかな…



大人になってから分かったことだけど、ある日お父さんの履歴書を発見して見てみたら、仕事が長く続いてなくて職を転々としていたんだな、と分かった。



もしかして、それでお母さんは働くようになったの...?



ストレスを抱えていたのかなって思ってしまった。



私の勝手な想像で真実は分からないままだけどさ。



何が起きていたんだろう。



お父さんはお父さんで職を転々とするということは何か苦しさを抱え込んでいたのかなぁ...




もし、私がいなかったら離婚してた…?



このときの私は自分の気持ちばかり気にしていて親の気持ちとかちゃんと考えてなかったんだなって思う...ーー








それからは二人の仲が悪くなることはなく平凡であたたかい毎日だった。






私は………


幸せだった。







でも、私が中学2年生あたりぐらいになってからお母さんの体調に変化が現れてきたんだ。




お腹を痛がることがたまにあったんだよね。




その頃お母さんはダイエットの薬を飲んでいて

みるみる痩せていったからそれがきっかけのひとつだったのかなぁ。




ある日、戸棚を開けたらその薬を見たことがあってどんなこと書いてあるのかなと思って見てみたら全て外国語で書かれてあって日本のものではないと分かった。




あまり良くない薬…?



まさかそんなことはないか…




少し疑問に思いながらもお母さんに聞いたことはなかった。




そして、生活習慣も良くなかった。




薬を飲む



ご飯少なめ



でも、お菓子は食べる



運動はしない




面倒くさがりで身体に良くない生活を送っていたんだ。




お腹が痛いと言うことが増えてきたから、お父さんと私は病院に行ったほうがいいよって何度も言った。





それでもお母さんは大丈夫と言って中々行ってくれなくて。







大の病院嫌いなんだよね。





お母さんは自然に良くなると思ってたらしいけど、その気持ちとは裏腹に体調は少しずつ悪くなっていった








ある日お腹が痛いって冷や汗かきながらお腹を抱えて転げ回っていたときがあってさ。







さすがにこれは病院に行かないとダメだってことでお父さんに連れられやっと病院に行くことに。







気になる診断の結果は、子宮筋腫っていって子宮に出来るこぶみたいなもので、それがこぶしくらいの大きさまで大きくなってるからそれが原因でお腹が痛くなったんだろうって。






手術で子宮筋腫を取ったら良くなりますよとのこと。







それを聞いて私はホッとした。







手術をすれば良くなるんだ。








手術をするのはちょっと心配だなと思ったけどね。

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