第011話 これからの方針

◆ ◆ レティナ視点 ◆ ◆


 全身の筋肉が言うことを聴いてくれない。震える左手を右手で掴んでみると、左手には誰か別の人から握られている感覚に支配され、そして右手には冷たく柔らかい物体を握っている感触だけが広がる。自分の身体なのに酷く異物感がある。変な体勢で座り続けていると足がびりびりと痺れて感覚が麻痺するけれど、その感覚が全身を駆け巡っているようだ。自分の身体の虚弱さを再認識するばかりだ。病に倒れていた幼少期のころは毎日がこういう感じだった。そういう記憶が頭の片隅に残っている。

 昨日気を失った後にベッドの中でその調子でガクガクと震えていた私は、セロさんに抱きかかえられてシャワー室に投げ込まれ、着衣のままシャワーでちょうどよい温度のお湯を浴びせられ続けた。皮膚の感覚が戻ってきた段階で強い眠気に襲われまた意識を失うこととなった


 今、事務所の仮眠室で何重にも掛けられた毛布の中で私は目覚めた。窓にかかるブラインドがしっかりと閉じられていて部屋に差し込む光を遮っており、時間感覚が分からない。透視してさらに外を眺めると、どうやら次の日の朝になっていたようだ。

 夏の暑い7月初頭に毛布にくるまっていたことで寝汗が酷い。不快感が眠気を上回り、上手く動かない身体に鞭を打って毛布を剥ぎ取る。それと同時に飢餓感を覚える。そうだ、昨日の昼食から何も食べていないことになる。粘度の強い唾液が口の中にあふれて、それを飲み込むに苦労する。深呼吸すると、ただ空気だけが胸と腹の中に存在するように思えた。

 黒い毛束がいつもよりもくるくると巻き上がっている。若干、髪がしっとりと濡れている。寝汗で濡れているのではなく、昨日浴びせられたシャワー後にしっかりと乾かしてくれなかったに違いない。最悪だ。


「わ、男物のパジャマ着させられているじゃん。このぶかぶかな大きさはセロさんのかな」


 シャワーの最中に完全に眠ってしまった私を無理やり着替えさせて、さっと髪の毛を乾かしたのだろう。自分の体力の無さに対する無力感が、おそらく裸を見られたことに対する羞恥心に勝ち、ただただ落ち込むだけであった。

 今はそういったことを気にする前に、早く脳にグルコースを回したい。何か食べなければ。動きは緩慢だけれど、筋肉や関節の疲れは回復していたので立ち上がるのには問題なかった。袖や裾が数十センチ余ったぶかぶかのパジャマを煩わしく思いながら、仮眠室を出る扉を開く。


 リビングに備えられた空間投影テレビで時事ニュースが流れている。ムンドゥス教とかいうトスタ市に根付く新興宗教が信者の数百億相当の金品を不当に巻き上げていたとかいう疑惑があるらしい。そんなニュースを眠そうな細い目で眺めて、コーヒーを啜りながら調理室に立っている大男がいる。


「レティナ、起きたか。体調はどうだ? とりあえず冷凍食品用意しておくぞ。アレルギーとかあったら教えてくれ」

「あ、ありがとうございます。なんでも食べます」


 さすがはセロさん。社員の体調管理も怠らない。調理室にある冷蔵庫を開けて、私の朝ごはんを選んでくれている。

 何でも屋の事務所は3人が在籍するオフィスとしては十分に広い。実際にティオ君が昨日暴れまわっても私が走って逃げ回るスペースがあったことから理解できるであろう。

 入口の扉を開いて事務所に入ると、来客者の待機用の椅子と受付用の机があるロビーが広がる。依頼者に不快な印象を与えないように、照明は暖色よりの白系で明るく、常に清潔感が保たれている。この場はティオ君の大暴れのせいで、今では酷く荒れている。炸裂する氷の銃弾により前衛美術と化した机は既に廃棄されたようだ。

 受付の後ろには衝立てが並んでおり、その裏には応接間がつくられている。受付用の机は依頼者が来ないときのセロさんの簡易事務スペースでもあったので、机上に置いていた資料やパソコンは応接間のテーブル上に退避して積み重ねられている。

 この資料が昼の時点で既に片づけられていたことを思い出す。セロさんの手回しで事務所が暴れてもよい環境になっていたんだろう。それに察知できていれば、より早期にティオ君の襲撃に気づくことができていたかもしれない。ただ、この事務所での生活が短く、セロさんの片づけタイミングを把握していなかったので、私にはその予測は無理だったかもしれないね。


 応接間から扉を通ったところに、生活スペースがある。6人がけの長方形のテーブルがスペースの中心に配置されており、私は今その一番端の椅子に腰かけている。生活スペースのすぐ隣には調理室があり、生活用品はだいたいこの辺りに集約されている。また、調理室の近くには脱衣所とシャワールーム、そして共用のトイレがある。

 生活スペースから奥に向けて1本の廊下が伸びており、5つの部屋に繋がっている。1つが先程まで私が眠っていた仮眠室だ。隣には仮眠室より設備の良い客間がある。客間には個別の風呂とトイレなどが用意されており、食事以外は外に出ずにプライベートな生活を営むことができる。今はこの客間はティオ君が利用しているようだ。

 その客間とほとんど同じ造りのセロさんの私室がさらに1つ。そして、倉庫部屋が2つある。そのうちの1つは2週間前に私が拘束されていた場所だ。

 各々の部屋には、内部の音と逆位相の振動を発生させノイズキャンセリングする特殊な建材が全面に張り巡らされており、防音・防衝撃に優れている。この建材は秘匿性が必要な空間では汎用的に利用されるけれど、かなり高価であり、これを事務所全体に利用していることから何でも屋の資本力が見て取れる。


 私が快適に寝泊まりする空間は用意されていないため、人間的な生活を送るためには、10分ほど歩いて自宅で就寝した方がよいだろう。これからの生活を空想していると、セロさんが私の目の前にレンジで温めた冷凍スパゲッティを差し出してくれた。トマトソースの薫りが食欲を刺激する。


「顔色を見るに、万全ってわけじゃなさそうだな。しっかり食って回復してくれ」


 セロさんは上司として優秀だと思う。私も研究室では新しく配属されたばかりの学生の面倒を見る立場にあるけれど、基本的に放任してしまっている。実際に、研究室に行かずにこうして副業に傾倒していることからも無責任度合いが分かるというものだ。マネジメントスキルをセロさんから吸収せねばならない。


 一緒に差し出された牛乳を飲み、私がスパゲッティに手を付け始めると、ティオ君が部屋からのそのそと出てきた。昨日はツンと立っていた銀髪がところどころ寝癖で倒れており、起床したばかりのようだ。

 ティオ君は私とは対角の位置の椅子に乱暴に腰かけた。


「師匠、おはようございます。……レティナさん、もう身体は大丈夫なの? 大丈夫なら昨日の片付けの手伝いしてくれると嬉しいんだけどなぁ」

「あいにく、おかげさまで絶不調でございます。ミズアメ1個、無料であげるからやっておいてくれない?」

「はあ、別にお金には困ってないからタダにしてくれなくてもいいんだけど。無理させて倒れられるほうがずっと困るから、僕が片付けるよ」

「ありがと、ティオ君」


 ティオ君の方から、わずかに物理的にも心理的にも距離を置かれているような印象を受ける。私が昨日気を失う前に聞こえたセロさんとティオ君の会話を思い出す限り、ベッドで震えていた私をシャワールームへ運んだのはセロさんで、その後にシャワーで私の身体を温めたりパジャマに着せ替えさせたりしたのはティオ君だったのであろう。セロさんが言っていたように、私は裸を見られる程度は減るものではないので気にしないのだけれど。


「はあ、お前ら2人とも仲良くしてくれ」


 セロさんも私達の微妙な関係性を感じ取っているようだ。元小学校教師としては、手のかかる児童を二人も持ってしまったという印象なのだろうか。セロさんが命令してティオ君に私の世話をさせたことが発端かと思われるので、頼れる上司としてもっとサポートしてほしい。


「さて、何でも屋全員が集まったところで、仕事の話に移ろうか。レティナはそのまま食べていていいぞ」


 生活スペースの壁に寄りかかりながら、私たちに向けてセロさんが胸の前で両手をパンと合わせて注意を促す。それと同時にティオ君が姿勢を正す。この1拍を合図に集中するように普段からしつけられているのかな。

 その音に、父さんの面影を感じた。あの時の講演でもこの音を何度か聞いた。


「話を切り替える時に手を叩くクセ、私の父さんに似ていますね」

「そうか? どこかからかクセが感染ったのかもしれんな。当面の目標は、そのレティナの父親であるコルネウス=ホイールを探し出すことだ」

「そうですね。あ、そうだ、昨日ティオ君が襲いかかってきたんで質問が途切れてました。セロさんの父も私の父さんに会っていたんですよね。何かそこから父さんに関する情報は引き出せないんですか?」

「……あの日以降、俺も俺の父とは会えていない。だが、レティナとは違って、父と連絡が取れなかったわけではない。実は、俺には4つ上の姉がいる。その姉も一緒に会議に連れられいて父と姉は会議に最後まで参加していた。姉ともずっと会えてはいない。5年ほど前までは普通に父とも姉ともオンラインでメッセージのやりとりを交わすことはできていた。アンダーグラウンドな仕事をしているとお互いに理解していたから、俺からあえて状況について尋ねることはしなかったし、俺も詳しいことは知らせなかった」


 昔を懐かしむように上を向き、セロさんは言葉を続けている。セロさんは随分と複雑な家庭環境で育ったようだ。


「そして、5年ほど前、父が事故で亡くなったと姉から連絡があった。母とはそもそも反りが合っておらず長らく連絡を取っていないし、葬式も何もなくミデン家はずっと疎遠となっているな」

「叔父と私しかいないホイール家に匹敵するシビアな状況ですね……」

「僕も兄ちゃんが行方知れずなんで、僕たちみんな家族に難を抱えていますね」

「俺も気にしていないから、お前らも気にするな。この5年間何度かメッセージを送っても返ってこないから期待はできないが、何かコルネウスのことを知っていないか姉に連絡はしてみよう」


 セロさんは手を再度ピシャリと叩き、しょぼんと俯いたティオ君の背筋を伸ばした。


「俺の姉ルートからの情報は期待しない方がいい。自分の足で情報を探し出す他ない。当ては一応あって、俺はガラムが怪しいと睨んでいる。ガラム関連の施設に潜入する依頼を何度か受けた中で、コルネウスの能力らしき痕跡があった」

「数年前、師匠と一緒に行った現場で見ましたもんね。壁も死体もひび割れたみたいに粉々になっていて……」


 触れたものを粉々にする能力。それが父さんの《眼の能力》。

 セロさんはその力を17年前に目撃し、それを行使したとして思えない痕跡がガラム関連の施設で発見されているというのだ。確定的ではないけれど、これまで全く足取りを掴めていなかった父さんに関する重要な情報だ。


「ところでだ、レティナはガラムのことをどれくらい知っている?」

「んぐ、すみまふぇん、パスタ飲み込まへてくらふぁい。ええと……、ニュースで報道されている内容そのまましか知りませんが、ガラムは卓越したスキルを持った人間たちが小規模ながら全世界に散らばって過激な活動している犯罪組織っていうのが私の理解です。そのうちの1人が、私に襲い掛かってきたクローブっていう人なんですよね」

「そうだな。クローブはガラムの上級構成員だった。ガラムは厳格なトップダウン組織で、上からの命令が絶対とされているらしい。下から一般構成員、上級構成員、地区幹部、主幹という区分が成されていることは噂で知られている。それよりも上の者や組織のボスが居るはずだが、情報は一切掴めていない。俺達の依頼の中でターゲットとしてきたのは上級構成員レベルだから、ガラムの本質について何も分かっていないのが現状だ」


 組織のレポートラインとして、ずいぶんとシンプルな構成らしい。上級構成員にあたる人間がどの程度スゴイ人物のか分からないけれど、そこに相当するクローブのナイフの扱いや追跡術は相当のものだったらしいと考えるとかなり危険だろう。ただ、肉弾戦の観点でいえば《眼の能力》を2つも持つセロさんに敵うはずはない。


「僕は子供に間違われやすくて警戒されにくいから、身辺警護とかの依頼をよく受けるんだ。そこで遭遇したガラム関係っぽい襲撃者は一般構成員とされるやつらばっかりだったなぁ。あくまで自白した内容から分かったことで、そいつらが本当にガラムに所属してるかは分かんなかったんだけどね」

「そう。ガラムに所属している人間は首筋に入れ墨を入れているなんてことはよく知られた噂だが、安直すぎて真実には思えない。実際に俺が相対したガラム構成員のうち、入れ墨を入れていたのはクローブと、他2名だ。ガラムの中のある一派が入れ墨を入れていると考えるのが自然だ。結局、何をもって組織に所属しているのかが分からないほどには、組織としての形が不透明すぎる」


 ガラムという名前だけがメディアで取り上げられ続けていて、その組織の実態は警察も含めて誰もつかめていない。そんな曖昧な組織が父さんとつながる第一候補として挙がっている現状は、実質的にヒントがないのと同義だろう。


「うーん。師匠、じゃあ、どうやってそんな組織の人間にたどり着けばいいんです? クローブ1人の捜索に関しても相当に時間がかかりましたよね」


 ティオ君にそう問われたセロさんは明確な答えを持ち合わせていなかったようだ。ううんと小さく唸った後に天井を見上げてしまった。セロさんが取り仕切るように始めた打ち合わせだったのでセロさんの考えを発表する場と見込んでいたが、これは3人で案や疑問点をぶつけ合って方針を定めたいのであろう。


「私としてはこのアイデアは相手依存の賭けになるんですが……」

「お、レティナ。なんだ? お前にはよくわからない状況整理力と発想があるからなんでも言ってくれ」

「そう言ってもらえて助かります。ドラマやゲームで出てくる反社会的な組織のイメージからの推測なのですが、トップダウン的な反社組織って部下がやられたりするとコケにされたと感じて報復してやるぞってケースが多いですよね。先日ニュースでも報道されていました通り、ガラムは末端の構成員を勾留した警察署に報復の襲撃を加えているくらいなんですから」

「確かにそうだな」

「では、クローブを始末したセロさん、そして私たちって既に報復の対象ですよね」


 その言葉でセロさんは合点がいったと眼を見開く。ティオ君はまだピンと来ていないようだ。


「つまり、俺たちがクローブを殺したと周囲に喧伝し、向こうから攻めてくるのを待つ作戦ってことか?」

「ああ、なるほどね。僕たちの情報が向こうに伝わるかどうかってことと、向こうが報復に踏み込んでくるかってことが賭けってことですね、レティナさん?」

「そういうこと。そもそも、ガラムから私の父さんに繋がる可能性も乏しいので、リスクだけが大きくリターンのない賭けになる可能性が高いんですけどね」


 この作戦は本当に危険な賭けだ。向こうから攻めに来られるということは、こちらは圧倒的に不利な状況となる。相手は警察署にテロを仕掛けるような頭のネジが飛んだ奴らなので、こちらが超常の能力を有しているとしても対応できない可能性がある。けれど、こちらからアクションする方策がない以上はこの選択肢しかない。


「セロさん、クローブは私が足跡工作で誘導したレストランで始末したんですよね。その後って証拠を隠滅したって聞きましたけれど、私たち何でも屋がクローブを始末したことを証明する方法ってありますか?」

「お前にも見せたクローブの特注のナイフとそのホルダーが依頼人に対する任務完了の証だった。それを持っているということは、ガラムにとっても俺たちが実行者であったことの証明になるだろう。俺が保管しているから、ナイフホルダーを身に付けて外を出歩くのが方法の1つだな」


 討伐した獲物の物品をぶら下げるなんて、セロさんはずいぶんと野蛮な戦略を思いつくね。


「師匠、ネットにそれらしくクローブに関する噂を流すのはどうなんですか?」

「それもアリだ。ただ、ネットの場合は相手方にどのように情報が受け止められるのか、制御するのが難しそうだ。警戒されるようなことになってしまっては逆効果になりかねん」

「相手がクローブの行方を探しているのなら、トスタ市街を中心に探しているでしょうね。それなら、セロさんがはじめに言ったように、ナイフホルダーを着けて出歩くのが効果的かもしれませんね」


 相手の興味を惹くエサをぶら下げて獲物を引き寄せる釣り作戦。ただし、自分の身体をエサにしていて、サメのように凶暴な奴らが食らいに来る。セロさんなら遅れは取らないとは思うけれど、心配が勝つ。そんな私の表情を読み取ったのか、ティオ君が明るく話しかけてくる。


「レティナさん、心配しなくても大丈夫だよ。昔の依頼で隠れた敵を刺激するために師匠は似たような釣り出し作戦やってるから。それこそ、数日前まではクローブを見つけ出すために僕を女装させて街に繰り出させるとか計画を立てていたくらい僕たちにとってよくやる作戦だよ。まあ、その作戦実行前にクローブを見つけ出せたから助かったよ。僕、女装嫌いだし」


 身体の線の細いティオ君には確かに女装が似合っていそうだ。是非見てみたい。今後、女装が有効そうな依頼が来たら立案する作戦に組み込んでしまおう。


「では、俺がナイフホルダーを着けて外を散歩している間に、お前ら2人にはやってもらうことがあるな」


 そう切り出しながら、寄りかかっていた壁から離れて私の向かいの席にドンと勢いよくセロさんが座った。机上に両肘を乗せて両手を組み、その手の上に顎を乗せた。

 セロさんは、隣りの席に座っているティオ君と正面の私の顔を交互に見て、口角をほんのりと上げた。ティオ君を虐めていたとき以外で見せるセロさんの最大級の笑顔だ。セロさんがティオ君と私にやってもらいたいことというものに合点がいかず、2人して首を傾げるジェスチャーだけでセロさんに反応をする。


「お前たちタッグで依頼遂行しろ。2週間後の土日は空けておくように。それまでは座学とトレーニングだ」


 テーブルを挟んで対角に座っている私とティオ君は、これから先に経験する苦労を想像しながらお互いの顔を見合った。

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