第4篇 その場しのぎ5

261


瓦礫の中、ただひたすら空を見る。昇る朝日がむき出しの傷にしみていく。



262


別れとは身構えていないときにやってくる。残酷な世界の仕打ちに視界がゆがむ。



263


ソラの声、私の頭に響き渡る。謝罪の言葉は必要ない。今はただ寄り添って。



264


これからのことは何も手につかない。いつ終わるとも知れない黄昏そのままに。



265


いつの間にか、ソラが私の横にいて。前の通りの小さな体、今の私には大きな存在。



266


どうするか、考えないといけないときがそろそろ私にやってくる。ゆがんだ視界は変わらない。



267


立ち上がる私の背中を後押ししながら、いつの間にか消えている。それはすべて私のため。



268


背後からやってくるのは黒い服。逃げようと思ったけれど足すくむ。今更なんだと苦笑い。



269


頭の中で相談中。はた目には相応の子供と思われていてほしい。おとなしくしておこう。



270


付き添われ黒塗りの車に乗り込んで、母のこと、話題に出されてにらみつけ。





#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって

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