第4篇 その場しのぎ4
251
えずくソラにひたすら私は許しを請う。返ってくるのは私を気遣う言葉の群れ。
252
目の前の悪夢に私とソラは立ち尽くす。できることはやるけれど、覚悟なんてどこにもない。
253
逃げる間はないままにあいつのすべてを受け止める。後ろには走る人影、蟻のよう。
254
唐突に頭の中にひらめいた一筋の光を追いかけて、私は両手を伸ばしてく。
255
困惑の声のソラも刹那の後で、私に向かって悪戯の笑顔を向けて、手を伸ばす。
256
しっかりとつかみ上げたあいつの腕。いろんな思いが指先に、肉にどんどん食い込んで。
257
もう一度雲の先へと飛び上がる。重力と重量が私たちを追いかける。
258
空気の果てを追いかけて、果ての果てまで世界の色は混ざっていく。
259
青かった。その言葉を思い知る。ちっぽけな石ころから飛び出した私は世界を思い知る。
260
振りかぶり一気に両手を開けておしまい。彼方への片道旅行を楽しんで。
#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって
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