第4篇 その場しのぎ3
241
あの影を私たちが吹き飛ばす。驚く人々に手を引かれ少女もよろよろ立ち上がる。
242
ありがとう、唇がそんな動きをしたような。よかったと私の言葉をかぶせていって。
243
衝撃が私の体にぶち当たる。きっとソラの瞳越し私は影をにらみつける。
244
大きくなったソラの姿には、宙に浮くマスコットの面影なし。
245
引き込んだ腕の狙いは鼻づらで、意味はないそのはずなのに私は身構え筋肉をできる限り膨らませ。
246
殴りつけ、悲鳴を上げる異物に対し、湧き上がるのはどす黒く黒い悪夢への思いだけ。
247
倒れ伏すあいつを前にふつふつと心の熱量跳ね上がる。思いの波が恐ろしいほど高くなる。
248
血の気の引いた手のひらを思いと一緒に握りしめ、いつしか私は腕を大きく振りかぶる。
249
叩きつける金属の塊となったソラの腕。音も視界も見えないまま、何度も何度も振り下ろす。
250
唐突に視界が外へとつながって、血まみれの両手に私は感情の残酷さを思い知る。
#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって
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