第4篇 その場しのぎ2

231


狭い世界が揺れていく。どこ行くの、私の言葉に揺れるのは頭に響くソラの声。



232


どこへでも逃げることはできるよ、と私を気遣うソラの声。何もない私の居場所はどこだろう。



233


ふと目をやって見えるもの。私のように叫ぶ人、何もかも失った絶望色のキャンバスに。



234


もしもの話、逃げるのではなく別の道、そんなことはできるのか。私は首を横に振る。



235


ソラも首を横に振る。傷つくことはみんないや。何もかも嫌になる。



236


あの影が私を見つめて叫びだす。逃げよう、と私とソラが心を重ねる。



237


雲の壁に向かって行って、何もないあの世界が私の待つ。その先に待つのはきっと虚無の風。



238


本当に一瞬だけそれた私の目に映る、つぶれそうな少女の姿。座り込む姿は私と何も変わらない。



239


ちょっとだけ、待ってと伝える私の声に、ソラは震えてる。それでも私の願いを聞いて。



240


向きを変え、私たちは降り注ぐ。間に合えと声に出してひたすらに。



#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって

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