第3篇 崩壊5
191
家の中、あるはずの安らぎは黒色に塗りつぶされて残ったものは悪寒だけ。
192
問いかけられる言葉はどれも心に当たり、そのたびに私の喉は音鳴らす。
193
見せろと言って強引に私の鞄を奪われて、そこには息を潜めてソラが、いない?
194
複雑な顔を見合わせ、次々と私をにらむ異物たち。よどんだ空気はひたすら苦い。
195
長々と電話をしているその横で母と二人時間をつぶす。一秒がこんなに長いと思い知る。
196
革靴で玄関を次々叩く無礼な音色。塩を撒く気持ちを始めて思い知る。
197
部屋の中、机の上に見覚えある板が一枚置かれてる。こんなところにいたんだね。
198
響く声、ソラの言葉は重々しい。見られてる、と頭の中にイメージが流れ込んで。
199
どうするの? 私は心の中で思う。大丈夫、それで言葉は通じる、と返る言葉にホッとする。
200
追われてる。ごめんなさい。それはわかるよ。言葉を切って、大丈夫とは続けられない情けなさがもどかしい。
#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって
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