第3篇 崩壊2

161


とぼとぼとひび割れた道のりを二人静かに進んでく。この割れ目に沿ったならどこへ連れて行ってくれるだろう。



162


聞きたいことはいろいろあるのに、聞きたいことが浮かんでこない。頭がふわふわ空を舞う。



163


どこにいたの? ようやく絞り出したこの言葉。ソラは体を傾けて、世界は斜めにずれていく。



164


ごめんなさい。しばらく後に聞いた声。頭の中にだけ響く声がもの悲しくもあって。



165


足を止め、誰もいない少し離れた瓦礫に腰掛けて、開き始めた開かずの扉に耳を向け。



166


星から星へ逃げたもの。居場所をなくしてさまようもの。一人空の向こうを漂うだけ。



167


落ちてきた何かに気が付いたのは、空の向こうにいたからで。



168


目を向ける理由はどこにもない。それでも一人降りてきた理由はなんとなく。



169


どうするの? と聞いてみる。終わりじゃないと芯の声。私の心は震えだす。



170


日が落ちる。家路はいまだ道半ば、バスでも電車も電波も不通。文明の敗北が目に見え始める。



#詩 #短歌 #twnovel #天に瞬く光となって

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