トントントン

『トントントン。』

 ドアをノックする音が聞こえてきた。

「こんにちは。入ってもよろしいですか?」

 看護師さんだ。どうしよう…もしかしたら病院から追い出されるんじゃないか…。でも、何か言わないと…。いろいろと考えた結果、この体のまま看護師さんに会うことにした。

「心海。どうする?」

「にゃにゃにゃん…(この姿のまま看護師さんに会うよ…)」

 と私が母に言ったが、母は私の言っていることはわからないので母は、

「そうよね。看護師さんを部屋へ入れないように言ってくるわ。」

そして母は看護師さんのもとへ行き、

「ごめんなさい…。まだ目を覚さないので…目を冷ましたら言いますね。」

そう言って母はドアを閉めた。私はそういうつもりではなかったが、何を言っても無駄だと思い諦めた。

「これからどうしようね…。」

と、母は不安そうに私に言った。

「にゃんにゃにゃん…(本当にどうしよう…)」

 するとガラガラとドアを開ける音が聞こえた。

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