再生能力
グールの骸(むくろ)が塵となって消えていく中、レオナルドは自身の身体に起きている異変を冷静に観察していた。 先ほどの激戦で、腕に負った深い裂傷。本来ならアンデッドといえど修復には時間を要する傷だ。だが今、その傷口が微かな蒸気を上げながら、目に見える速度で塞がっていくのがわかった。
「……再生能力か」
グールが持っていた驚異的な回復力。その因子(ソース)を、俺は確実に取り込んだのだ。 それは単なる治癒ではない。戦いの中で傷つくことを恐れずに攻め込める、強力な武器になる。
試しに、近くの石壁を拳で殴りつけてみた。 ドォン、と重い音が響き、硬い石に亀裂が走る。 以前の骨だけの腕なら、逆にこちらが砕けていただろう。だが、皮膚と筋肉を取り戻しつつある今の拳は、痛みを感じるどころか、まだ力が余っている感覚さえあった。
「悪くない……」
力が漲る。以前の俺が「錆びついた剣」なら、今の俺は「研ぎ直された剛剣」だ。 スケルトンやゾンビ相手では得られなかった、明確な強者としての力。 この調子で迷宮の魔物たちを狩り、その特性を奪い続ければ、あるいはデスナイトをも凌駕する「最強の個体」へと進化できるかもしれない。
レオナルドは再生した手のひらを握りしめ、次なる獲物を探す捕食者の眼で、暗い回廊を見据えた。
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