第27話~呪いと異能~
ねぇ、桐流くん。もしさ、僕が死んだらどう思う?」
「え?」
「ちゆちゃんや尊くん、君のお母さまみたいに泣いてくれる?」
「それはもちろん、師匠は俺の大事な師匠ですから。」
「そうか……なら、言おうかな……」
何を……?
「僕ね、死ぬらしいの」
「え……?」
「さっき、美玖先ちゃんが傷は治してくれたでしょ?だけど、あの弾には呪いの異能がかかっていたんだ。」
呪いの、異能……?
「それ、は誰か知っているんですか?」
「知らない。美玖先ちゃんも知らない」
「それはほかの人にもいった方がいいですよっ!」
「でも、言ったら迷惑が掛かるでしょ?呪いは、それに特化した異能じゃないと解けない。そんな人今いないし……」
特化した異能……
「それでもいってくださいっ!」
「ねぇ、桐流くん、君は自分の異能を知ってる?」
「それは……」
さっき、初めて感覚が分かったくらいで……
「じゃあ教えてあげる。僕だけ知ってるから。桐流くん、君の異能はすべてを消す異能と、相手の異能を阻害しコピーする異能。」
「え……?」
「知ってるのは僕だけだから。みんなに言うかどうかは自分で決めてね」
「師匠っ!」
叫んだ
「ど、どうしたの?」
「呪いが発動するまであと、どのくらいですかっ!?」
「あと……1日かな……もっと早いかも……」
「ならっ!」
俺は師匠と一緒に打ち上げ会場まで行った。
そして、天馬さんに聞いた
「天馬さんっ!書庫の、鍵をくださいっ!」
「あぁ、そういや渡すの忘れてたわ」
はい。と鍵を渡された
「ありがとうございます!」
「場所は、さっきの会場の別館だ。」
「はいっ」
そして、師匠と一緒に書庫まで行った。
扉が見え、鍵穴に鍵を差し込んだ。
カチャ
「開いたっ!師匠!待っててくださいっ!」
書庫の奥まで進んで、背表紙を流し読みする。なぜか大体人の名前が多かった。
そして、異能の欄を見つけて、背表紙を流し読みする。
そこにあった。
『呪い解呪』の本。
その中身をパラパラ流し読みをする。
そこに書いてあったのは、『対呪いの異能か、すべてを消す異能がないと無理』と書いてあった。
やり方は『ただ呪いが消えろと思うだけ』
……すべてを消す異能……っ……思うだけっ!?
そして俺は急いで本をもとの位置に戻し、外に出た。
「師匠っ!少しいいですかっ!?」
「ど、どうしたの?」
「俺、呪い解除できるかもしれませんっ!」
「え……?」
「やってみても、いいですか……?」
「いいよ」
呪いが消えろ……師匠から消えろ……
そして、何かが光った。
「師匠……?」
「あ、すごいよ、すごいよ桐流くんっ!呪い解呪しちゃったよっ!?ありがとう」
「師匠が死ななくてよかったです」
本当に良かった。
俺は書庫に鍵を閉め、師匠に言った。
「師匠、俺も打ち上げ行きたいです。」
「じゃあ、行こうかっ!その前にひとつ言っていい?」
「なんですか?」
「本当に、ありがとね」
……っ
「はい!どういたしましてっ!」
「じゃあ、打ち上げ行こうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます