第26話~序列決定戦(5)~
撃たれた師匠の体から真っ赤な血が流れていた。
「師匠っ!?」
「「「東雲っ!?」」」
俺と天馬さん、神楽さん、庄崎さんの声が響いた。
そして、4人で銃声がした方に顔を向けた。
そこに、いたのは
「やぁやぁ。皆さん、こんにちは。ずいぶん楽しそうですね」
「儚っ!」
そして、美玖先さんも振り向いて
「洞儀……」
「師匠。こんにちは」
「儚。お前、ここがどこかわかって入ってきてるのかっ!」
「わかってますよ?」
俺にはこの2人の気持ちがわかるような気がした。
そして、庄崎さんが聞いた。
「東雲を撃ったのはどっちですか?そいつは私がしばきます」
そして手を挙げたのは、洞儀くんだった。
「洞儀っ……私が悪かったの……?」
「師匠は、僕を強くしてくれなかった。それだけです」
「なんで……東雲を撃った……?」
「なんでって、僕と儚は『殺し屋』になったんですから」
殺し屋……?
「今の、上司はいい人ですよ。今日の序列決定戦に出ている人、全員殺せば、強くしてくれるんだって」
俺は衝動的に聞いてしまった。
「その、殺し屋の上司って誰……?」
「ノエルさんって人です?」
「……っ!!」
ノエル……なんで、今ここで名前が出てくるんだろう。俺を不快にさせないでよ。
そして、洞儀くんが言った
「ねぇ、そんなことに時間使っててもいいの?東雲さん、死んじゃうよ?」
「っつ」
「東雲さんのことは、私が美玖先さんとやっておくよ。」
「飛鳥っ」
「桐流、相手はもう、殺し屋だ。こっちも容赦なく殺していいぞ」
天馬さんが言ってきた。昨日までは、自分の弟子だった人を、殺していいよ。と
「はい」
「じゃあ、行くぞ」
そして、2人で、拳銃と木刀をもって、向かった。
洞儀くんはケータイを操作しようとした。
そこを天馬さんが撃ち抜いた。
儚くんも拳銃を構えた。そこを俺が撃ち抜いた。
「っち」
「あの、天馬さん、これ本当に殺しちゃって大丈夫なんですか?」
「なんだ?心配なのか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「じゃあ、撃て」
「……はい」
そして俺は拳銃を構えた。天馬さんも拳銃を構えた。
狙いを定め、
パンッ
と、2人の心臓を撃ち抜いた。
2人は糸の切れた人形のように倒れ崩れた。
「はぁ……」
「桐流。東雲のことはいいのか?」
「あっ!」
俺は師匠のところに急いだ。
「あれ~桐流くん、どうしたの?」
師匠はもう回復していた。
「師匠っ!大丈夫ですか!?」
「ん~?何が?」
ものすごく元気そうだった。
「傷のことですけど」
「あぁ~拳銃で撃たれたところ~?美玖先ちゃんがなおしてくれたよ」
「そうなんですか……」
「あっそうだ、終了のやつ言わないと~いっていいよね?」
「まぁ……いいんじゃないですか?」
「じゃあこれにて、序列決定戦を……無事終了しますっ!」
「「「「無事じゃないけどな」」」」
天馬さん、庄崎さん、神楽さん、美玖先さんに突っ込まれた。
それに師匠は
「ほら、今無事だから大丈夫でしょ?」
「まぁ、そうか……」
「じゃあ打ち上げ行くかぁ~」
暗殺者でも打ち上げってするんですかっ!?
「天馬くん、お誘いに乗りたいところだけど、今回はパス。いつもの場所で桐流くんと話したいことがあるから」
「わかった」
「それなら私もパスして良いですか?」
飛鳥が言った。
「ん?」
「お義父さんとお母さんが心配するので」
それを聞いて神楽さんが
「俺もお父さんだよ……?」
「ん、じゃあやっぱり出ます。お父さんがかわいそうだから」
「飛鳥ぁ!!」
そして、師匠と俺はいつもの場所に来ていた。
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