第25話~序列決定戦(4)~

「5回戦を始めます。神楽、飛鳥、庄崎。来てください」

あっ。ここだけ3人だったんだ。

「5回戦は、1人ずつ脱落していって、最後の1人になるまでやります。用意はできましたか?」

「はい」

「じゃあ、5回戦、開始っ!」

飛鳥と庄崎さんが木刀を構えた。神楽さんは木刀を下に向けたまま。

「ん、飛鳥を傷つけることはできん。庄崎にしよう」

と言って、庄崎さんに木刀を向けた。

親バカですかっ!?

「お父さん、そんなの気にしなくていいよ~」

「無理だ。俺ができん」

「あ~そう?」

そして、後ろから庄崎さんが来た。

「隙、ありですよ?」

と言って、神楽さんの背中に木刀を打ち付けた。

「神楽、脱落」

美玖先さんの声が響く。

そして、飛鳥と庄崎さんが向かい合った。

飛鳥が異能で心を読もうとした。その瞬間庄崎さんに後ろに回られて

「っ!?」

「私に、隙を見せてはいけませんよ?」

「飛鳥、脱落。これによって序列が決定した。序列第5位神楽、序列第4位飛鳥、序列第3位庄崎、序列第2位天馬、序列第1位桐流。これにて……」


そこにのんきな声が響いた


「ふぁ~」

師匠が起きた声だった。

「お、東雲。いいところに起きた。お前の弟子が俺を負かしたぞ?」

「ん~……天馬くんを……?って、天馬くんをっ!?桐流くんがっ!?」

「そうだぞ?しかも、全部終わった。あとは、閉めだけだぞ?」

「僕が言っていいっ!?」

師匠。寝起きでよくそんなに元気ですよね……

「いいぞ」

「えっと、これにて、序列決定戦を終わりに……」

その瞬間、銃声が響いた。


パァン


その音は、師匠が背後から撃たれた音だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る