第21話~3回戦~

「じゃあ、桐流と飛鳥は来て~。3回戦始めるから~」

「はい」

飛鳥が拳銃を構えて、俺も拳銃を構えた

「開始っ!」

「お義兄ちゃん。私、異能使えるんだっ。私が勝つから」

なにそのカミングアウトっ!、俺だって勝ちたいよっ!

「俺だって勝つから。」

そして勢いでそう言ってしまった

「ふぅん。お義兄ちゃん、私の異能、絶対に避けられないんだよ?だって私の異能が効かなかった人見たことないもん」


……そして、飛鳥が異能を発動させた


そして、飛鳥が目を見開いて

「なんで、なんで、私の異能……心が……読めない……なんでっ!ほかの人のは読めたのにっなんでお義兄ちゃんだけっ」

……飛鳥の異能は、心を読むことなのかな……

というか、なんで、俺の心だけ読めないんだ……?俺が不思議なんだがっ!

「……もういいやっ心が読めないなら、無理やり強行突破しか……」

「あ、飛鳥っ?」

「あぁぁっぁぁっ」

自暴自棄っ!?

そして、飛鳥が拳銃を木刀に持ち替えて俺に向かって走ってきた。

……そんな、何も計画がない、まぁ……俺が言えることじゃないけど……心任せな攻撃は俺に……聞かないよ?

拳銃を、パン、ぱん。と撃って飛鳥に当てた。

「……お義兄ちゃん……?」

そういって糸が切れたように気絶した

「飛鳥っ?」

「ああ、気絶したか……桐流、飛鳥と今同居してるんだったよな?」

……神楽さんって……飛鳥の実の父親だよね……というか、同居っ!?いや!ただの義理の兄妹だから!

「……そうですけど……」

「本当は俺が送りたいんだがな……少し美代と会うのが気まずくてな……送ってくれないか?」

「いいですけど……」

「じゃあもう今日は帰れ、あ……でも、手続きとかあるし無理か。でも飛鳥を早く家に帰したいし…」

神楽さんって……もしかして……親ばかっ!?

「少しいいですか?皆さん。」

「どうした?美玖先?」

「天馬含め皆さんに言いたいことがあります。私、美玖先は本日をもって、五大幹部を辞めたいと思います」

「えっ!?美玖先ちゃんも辞めるのっ!?」

一番びっくりしてたのは師匠だった。

「えぇ。今日の戦いを見ていたら、私の弟子より……いいえ、私よりすごい方がいるじゃないですか。そこに2人。黒瀬兄妹が」

「「はっ?」」

声を上げたのは、俺の師匠と神楽さんだった。

「いやいや、そんなことないって。ねぇ神楽くん」

「そんなことないだろ。なぁ?東雲?」

いや……師匠と神楽さんひどくない??

「その口論はまた今度にしてください。ということで、私は辞めます。それでいいですよね?天馬」

「あぁ。その代わり、仕事はしっかりやれ」

「えぇ。もちろんたまには天馬や庄崎のために会いに来てあげますよ。」

「俺らのため?」

「私たちのため?」

「そうですよ。長年一緒にいた仲間じゃないですか。今後も仲良くしましょ」

少し楽しむような、でも怖さを含めた笑みで美玖先さんが言った。

「「……はい」」

「じゃあ、手続きを……と思ったけど、もう今日は遅いから、また明日集まろうか。場所はここで。あ、儚と洞儀はこなくていいからな。じゃあまた明日。」


そして、俺は見た。儚くんと洞儀くんが泣いていたことに。

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